
ART
答えは無限にある、ライアン・ガンダーの個展|青野尚子の今週末見るべきアート
August 13, 2022 | Art | casabrutus.com | photo_Takuya Neda text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
コロナ禍で1年延期になっていたライアン・ガンダーの個展がついにオープン! 謎に満ちていてどこか笑える作品について、来日したアーティストに聞きました。
イギリスの現代アーティストの中でもとりわけ注目を集めているライアン・ガンダー。2017年の大阪の〈国立国際美術館〉での個展に続き、首都圏の美術館では初めての個展が2021年春に開かれることになっていた。が、パンデミックの影響で延期されてしまう。しかし転んでもただでは起きないのがガンダーだ。個展が予定されていた期間、自作のかわりに同館のコレクションを見せる『ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展』を開催した。
およそ1年遅れで幕を開けた個展は《あなたをどこかへ連れて行ってくれる機械》という、謎の機械から始まる。センサーに手をかざすと地球上の陸地からランダムに選ばれた500万ヶ所の場所の緯度・経度を表示したレシートのような紙が出てくる。コロナで旅行もままならない今、想像上の旅に出てほしい、という作者のアイデアだ。この作品を含め、最初の展示室はこの3年ほどの間に作ったものが並ぶ。
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青野尚子
あおのなおこ ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。
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