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ART

現代美術ギャラリー〈Kanda & Oliveira〉が西船橋にオープン。

| Art, Architecture | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare   text_Fumiko Suzuki   editor_Rie Nishikawa

2022年2月23日、アーティストの海外進出を視野に入れた新ギャラリーが千葉県西船橋に誕生。会田誠、森村泰昌、ライアン・マッギンレーなどをオープニングで展示。郊外ならではの開放的な展示空間も魅力だ。

北側のハイサイドからの採光を活かした3階の大展示室。左側の壁に宮永愛子の《life》。正面はライアン・マッギンレーの《Taylor (Black & Blue)》。右側に久松知子の作品も見える。
北側のハイサイドからの採光を活かした3階の大展示室。左側の壁に宮永愛子の《life》。正面はライアン・マッギンレーの《Taylor (Black & Blue)》。右側に久松知子の作品も見える。
3階の小展示室には塩田千春の《Skin》(左)と《State of Being (Dress)》(右)。
3階の小展示室には塩田千春の《Skin》(左)と《State of Being (Dress)》(右)。
3階の大展示室は天井高があり、大型作品も展示可能。左から加藤泉の《Untitled》、梅津庸一の《死霊が私を見ている II》。
3階の大展示室は天井高があり、大型作品も展示可能。左から加藤泉の《Untitled》、梅津庸一の《死霊が私を見ている II》。
所属作家のひとり、久松知子の大作《日本の美術を埋葬する》。クールベの《オルナンの埋葬》の構図をもとに近代から現代の日本美術を代表する芸術家や批評家が描かれている。
所属作家のひとり、久松知子の大作《日本の美術を埋葬する》。クールベの《オルナンの埋葬》の構図をもとに近代から現代の日本美術を代表する芸術家や批評家が描かれている。
北側のハイサイドからの採光を活かした3階の大展示室。左側の壁に宮永愛子の《life》。正面はライアン・マッギンレーの《Taylor (Black & Blue)》。右側に久松知子の作品も見える。
3階の小展示室には塩田千春の《Skin》(左)と《State of Being (Dress)》(右)。
3階の大展示室は天井高があり、大型作品も展示可能。左から加藤泉の《Untitled》、梅津庸一の《死霊が私を見ている II》。
所属作家のひとり、久松知子の大作《日本の美術を埋葬する》。クールベの《オルナンの埋葬》の構図をもとに近代から現代の日本美術を代表する芸術家や批評家が描かれている。
千葉県西船橋に新しいアートギャラリー〈Kanda & Oliveira〉がオープンした。オープニング展は『NISHIJI COLLECTION』。ギャラリーの運営会社である株式会社西治が収集した現代アート作品を展示公開している。西治は不動産業を主な事業とする企業で、2013年から現代アートのコレクションを始めた。

「これまでは企業コレクションというかたちでアートと関わってきました。今後はそこか ら一歩進んで、より長期的な視点でアーティストを支える架け橋になりたいと考え、創業の地である西船橋にギャラリーを設立することにしました」(ディレクター神田雄亮)

運営面では神田がディレクターを務め、共同設立者でフランス人のクリステル・ウリエズがマネージメントを担当。「多文化間の対話の促進」をヴィジョンとして掲げ、アーティストの活動を国際的に広げることを目標としている。
2階の階段の踊り場には森洋史の《Invincible Girl》。
2階の階段の踊り場には森洋史の《Invincible Girl》。
2階に展示された森村泰昌の《烈火の季節(もうひとつのアサヌマ)》。
2階に展示された森村泰昌の《烈火の季節(もうひとつのアサヌマ)》。
2階の展示室はテラスに面した書斎風のスペース。壁には工藤麻紀子と志賀理江子の作品。
2階の展示室はテラスに面した書斎風のスペース。壁には工藤麻紀子と志賀理江子の作品。
2階と3階は外階段でも繋がっている。2階のテラスは半屋外のスペースで、パーティや立体作品の展示にも利用できる。
2階と3階は外階段でも繋がっている。2階のテラスは半屋外のスペースで、パーティや立体作品の展示にも利用できる。
2階の階段の踊り場には森洋史の《Invincible Girl》。
2階に展示された森村泰昌の《烈火の季節(もうひとつのアサヌマ)》。
2階の展示室はテラスに面した書斎風のスペース。壁には工藤麻紀子と志賀理江子の作品。
2階と3階は外階段でも繋がっている。2階のテラスは半屋外のスペースで、パーティや立体作品の展示にも利用できる。
オープンニング展では会田誠、森村泰昌、加藤泉、塩田千春、ライアン・マッギンレー、マーク・マンダースなど18人の作品(前期・後期で入れ替えあり)を展示。平面作品を中心に2000年以降の現代アートが幅広い視点で紹介されている。

ギャラリーは3つのフロアに大小4つの展示室があるほか、階段の踊り場にも作品を展示。変化に富んだ空間と展示作品の関係も見どころのひとつだ。また1階から3階までの展示室を内階段で巡ったあとに、テラスに面した別の階段で外の景観を楽しみながら1階に戻る動線など、郊外という立地を活かした空間構成となっている。
1階の展示から。堀越達人の《Imagination (She's hearing mountain voice)》(左)と田中武の《咲き乱れる情報》(右)。
1階の展示から。堀越達人の《Imagination (She's hearing mountain voice)》(左)と田中武の《咲き乱れる情報》(右)。
左から会田誠の《滝の絵(下絵)》、ヴィヴィアン・ホーの《刹那的光輝不是永恆 Foever is a lie always》、堀越達人の《Ghost》。会田誠は西治がコレクションを始める契機となった作家でもある。
左から会田誠の《滝の絵(下絵)》、ヴィヴィアン・ホーの《刹那的光輝不是永恆 Foever is a lie always》、堀越達人の《Ghost》。会田誠は西治がコレクションを始める契機となった作家でもある。
1階の展示室は丸みを帯びた天井と淡いクリーム色の吹き付け塗装の壁面が特徴。日本美術や工芸の展示も行えるように、他の展示室とは空間のニュアンスを変えている。正面はアブデルカダー‏・ベンチャマの《Engramme - Fata Bromosa》。
1階の展示室は丸みを帯びた天井と淡いクリーム色の吹き付け塗装の壁面が特徴。日本美術や工芸の展示も行えるように、他の展示室とは空間のニュアンスを変えている。正面はアブデルカダー‏・ベンチャマの《Engramme - Fata Bromosa》。
1階の展示から。堀越達人の《Imagination (She's hearing mountain voice)》(左)と田中武の《咲き乱れる情報》(右)。
左から会田誠の《滝の絵(下絵)》、ヴィヴィアン・ホーの《刹那的光輝不是永恆 Foever is a lie always》、堀越達人の《Ghost》。会田誠は西治がコレクションを始める契機となった作家でもある。
1階の展示室は丸みを帯びた天井と淡いクリーム色の吹き付け塗装の壁面が特徴。日本美術や工芸の展示も行えるように、他の展示室とは空間のニュアンスを変えている。正面はアブデルカダー‏・ベンチャマの《Engramme - Fata Bromosa》。
ギャラリーの設計は、ヘルツォーク&ド‏・ムーロン事務所出身で、日本と香港を拠点に活動する小室舞率いるKOMPAS。3階建の建物はノコギリ型の屋根が特徴的で、内部は北側からの外光を積極的に取り入れた空間となっている。

「各階の構造や採光の違いによって、洞窟のような下階から光あふれる上階へと空間の質が変わり、それが個々の展示スペースを特徴づけています」(小室舞)
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