ART
道具の魂を描く、フィリップ・ワイズベッカー。
| Art, Design | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Keiko Kusano
パリとバルセロナを拠点にするアーティスト、フィリップ・ワイズベッカー。日本でも書籍や広告など数多くの仕事で親しまれており、多くのファンを持つ。現在、彼の新作の展覧会が東京・目黒の〈CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店〉にて開催中だ。
入り口すぐに掲げられている洋服を描いた作品シリーズは、かなり大きな紙に描かれている。しかし、この紙、普通の紙とはちょっと違って、ずいぶんと退色をしている。実は、これは和紙。ある日本人女性フォトグラファーからワイズべッカーに贈られたものなのだそう。彼女が実家を整理した際に大量に保管されたものが出てきたため、描く紙にこだわる彼ならきっと活用してくれるだろうとのことで譲られたものだ。
「彼女に最初に紙をもらった時に素敵な紙だなとは思ったのですが、すぐに使おうとは思っていませんでした。私は紙を見つけたらすぐに手に入れてストックしているので、いろいろな紙を持っています。この紙は和紙ですが、和紙は消しゴムをかけると繊維が毛羽立ってしまうので使えない。仕方がないので、直したいところは別の和紙を切って貼りあわせるようにしてみました。そうすると、それが逆にコラージュという形で、絵に良い効果をもたらしてくれたのです」
「彼女に最初に紙をもらった時に素敵な紙だなとは思ったのですが、すぐに使おうとは思っていませんでした。私は紙を見つけたらすぐに手に入れてストックしているので、いろいろな紙を持っています。この紙は和紙ですが、和紙は消しゴムをかけると繊維が毛羽立ってしまうので使えない。仕方がないので、直したいところは別の和紙を切って貼りあわせるようにしてみました。そうすると、それが逆にコラージュという形で、絵に良い効果をもたらしてくれたのです」
紙を選ぶ際、彼はどんな基準で選んでいるのだろうか。
「描く対象となるオブジェのイメージと合うかどうかを考えて、選ぶようにしています。紙を選ぶ基準は、触り心地や画材との相性。紙から醸しだされるもの、画材から醸しだされるもの……その相互作用を大切にしています。描き始めてからもイメージと合わなかったりする場合は、紙を変えます。時にはイメージが合わないと描いては捨て……といったことを繰り返すこともあります」
彼が描く時に使用する紙はさまざまだ。今回の展覧会では、バルセロナの街角で購入したノートを使った作品もある。
「描く対象となるオブジェのイメージと合うかどうかを考えて、選ぶようにしています。紙を選ぶ基準は、触り心地や画材との相性。紙から醸しだされるもの、画材から醸しだされるもの……その相互作用を大切にしています。描き始めてからもイメージと合わなかったりする場合は、紙を変えます。時にはイメージが合わないと描いては捨て……といったことを繰り返すこともあります」
彼が描く時に使用する紙はさまざまだ。今回の展覧会では、バルセロナの街角で購入したノートを使った作品もある。
かつて京都に4か月ほど滞在したことがあるワイズベッカー。会場には畳の部屋をモチーフにしたシリーズも登場している。ワイズベッカーらしく定規でひいた真っ直ぐなラインが印象的だ。
「私は北斎などの浮世絵が大好きでよく見ているのですが、浮世絵はたいてい人物や動物が部屋の中に描かれていますよね。そこからインスパイアされて描いたのが、畳のシリーズです。もちろん、そっくり同じではなく空間だけを描いてみたのです。ですから、結果的に、人が部屋に入る前なのか、それとも出て行った直後の部屋なのか……そんなふうに想像力をかき立てるような作品になったかなと思います」
「私は北斎などの浮世絵が大好きでよく見ているのですが、浮世絵はたいてい人物や動物が部屋の中に描かれていますよね。そこからインスパイアされて描いたのが、畳のシリーズです。もちろん、そっくり同じではなく空間だけを描いてみたのです。ですから、結果的に、人が部屋に入る前なのか、それとも出て行った直後の部屋なのか……そんなふうに想像力をかき立てるような作品になったかなと思います」
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