ART
KAWSの“原点と今”を巡る。20年後の『KAWS TOKYO FIRST』へ。
『カーサ ブルータス』2021年9月号より
| Art, Design | アーティストを巡る、この夏 | photo_Satoshi Nagare text_Mio Koumura
2001年、渋谷パルコで開かれた日本初の個展が、20年の時を経て、同名タイトルを冠して六本木に帰ってきた。原点回帰する初の大型展覧会でKAWSの変遷を辿ります。
●初の大型展覧会で見つけるKAWSの「はじまり」と「現在地」。
時は東京ストリートカルチャーの最盛期。1997年から東京に足繁く通ったKAWSは、渋谷で開かれた日本初の同名個展についてこう振り返る。
「友人に作品を見てもらえること、NIGO®やシュプリームと共同作業が叶ったことがただ嬉しかった。東京は刺激的で、僕はしかるべき時と場所にいたんだと思う」
後に“原点”となるこの展覧会を境に、ファッション界の寵児へと駆け上がる友人たちと同じく、KAWSも現代アート界において欠かせない存在へと成長した。
「この20年で大きく変化し、一つのサイクルを終えた。だから、前回の個展にベンチマーク的な意味を持たせたかったんだ」
「友人に作品を見てもらえること、NIGO®やシュプリームと共同作業が叶ったことがただ嬉しかった。東京は刺激的で、僕はしかるべき時と場所にいたんだと思う」
後に“原点”となるこの展覧会を境に、ファッション界の寵児へと駆け上がる友人たちと同じく、KAWSも現代アート界において欠かせない存在へと成長した。
「この20年で大きく変化し、一つのサイクルを終えた。だから、前回の個展にベンチマーク的な意味を持たせたかったんだ」
同名タイトルで実現した本展は5つのエリアに分かれ、1997年から2021年まで、時代を辿るようにKAWS作品を鑑賞できる。当初NIGO®の依頼を受けて描かれたといわれる初期の代表作《キンプソンズ》シリーズ、富士山の麓で披露された『KAWS:HOLIDAY JAPAN』、アプリをかざすと浮き上がるAR作品まで。日本でこれほどの幅と規模で作品が揃うのは、初めてのことだ。
「僕にはこの方法しかなかった。ストリートウェアもグラフィティも、始めた時は自分の満足のためであって、他人の目を全く気にしていなかったよ」
アート界のパラダイムシフトが続く中で、誰もが知るアーティストとなった今、改めてKAWSの「はじまり」と「現在地」を振り返りたい。
「僕にはこの方法しかなかった。ストリートウェアもグラフィティも、始めた時は自分の満足のためであって、他人の目を全く気にしていなかったよ」
アート界のパラダイムシフトが続く中で、誰もが知るアーティストとなった今、改めてKAWSの「はじまり」と「現在地」を振り返りたい。
●来日したブライアン・ドネリーが語る”仲間”への想い。
キャラクターはKAWSを物語る上で欠かせない存在だ。きっかけは日本を訪れた時、言語の壁を越えるひとつのコミュニケーションツールとして魅了されたことだった。なかでも最初のコンパニオントイはフィギュアとして東京で誕生して以降、様々なキャラクターに憑依するようにたびたび登場。この20年の間における作品の進化を体現する代弁者のようだ。
「まさか、20年後もコンパニオンについて語っているなんて思わなかったよ。人間は様々な機会があり、それに応えて変化していくものだが、彼も自らの人生を歩み、成長している。同時に、〝立ち戻り、作り直すことで、終わりのないイメージを作る〟僕の仕事のあり方を教えてくれたんだ」
「まさか、20年後もコンパニオンについて語っているなんて思わなかったよ。人間は様々な機会があり、それに応えて変化していくものだが、彼も自らの人生を歩み、成長している。同時に、〝立ち戻り、作り直すことで、終わりのないイメージを作る〟僕の仕事のあり方を教えてくれたんだ」
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