ART
最注目アーティスト、カミーユ・アンロの日本初個展。
| Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto
フランス生まれの現代美術家、カミーユ・アンロの日本初の大規模個展が〈東京オペラシティ アートギャラリー〉で開催中。期間は12月15日まで。
1978年、パリに生まれたカミーユ・アンロは、2013年のヴェネチア・ビエンナーレで銀獅子賞を受賞したことで国際的に知られるようになったアーティスト。NY〈ニューミュージアム〉やウィーンの〈クンストハレ・ウィーン〉などで個展を開き、2018年秋にはパリの〈パレ・ド・トーキョー〉全館を使って個展を開催した史上3人目の作家としても注目を集めた。
彼女のインスピレーションの源は文学や哲学、天文学、人類学、博物学、情報学など多岐に渡る。そうした知の泉に自ら飛び込み、受容、咀嚼した情報をユニークな世界に昇華させる。たとえば、ヴェネチア・ビエンナーレで発表した《偉大なる疲労》は国立スミソニアン博物館にある膨大な資料調査に基づき、世界の始原から神話、生命の歴史などの考察をデスクトップの画面上にスピーディーに展開する映像作品。ヒップホップミュージックとともにラッパーの語りによって壮大なストーリーが軽やかに紡がれる。この作品と対になる《青い狐》は宇宙の成り立ちや生命、世界の秩序と多義性を、空間全体を使って表現したインスタレーションだ。
彼女のインスピレーションの源は文学や哲学、天文学、人類学、博物学、情報学など多岐に渡る。そうした知の泉に自ら飛び込み、受容、咀嚼した情報をユニークな世界に昇華させる。たとえば、ヴェネチア・ビエンナーレで発表した《偉大なる疲労》は国立スミソニアン博物館にある膨大な資料調査に基づき、世界の始原から神話、生命の歴史などの考察をデスクトップの画面上にスピーディーに展開する映像作品。ヒップホップミュージックとともにラッパーの語りによって壮大なストーリーが軽やかに紡がれる。この作品と対になる《青い狐》は宇宙の成り立ちや生命、世界の秩序と多義性を、空間全体を使って表現したインスタレーションだ。
映像、彫刻、ドローイングといったさまざまな制作手法を駆使して表現するのも彼女の作品の特徴。日本では2014年に恵比寿映像祭で《偉大なる疲労》の上映、2017年〈森美術館 MAM SCREEN〉で9本の短編映像作品が公開されたが、今回は映像作品だけではなく、彼女の全貌を展示する。また、カミーユは以前、日本滞在中にいけばなに興味を持ち、2011年以降は花にまつわる作品も発表している。今回は草月流の協力を得て、会場でいけばなに触発された作品の数々を展示している。こうした日本ならではの試みにも注目したい。
『カミーユ・アンロ|蛇を踏む』
〈東京オペラシティ アートギャラリー〉
東京都新宿区西新宿3-20-2。10月16日〜12月15日。11時〜19時(金・土〜20時)、月曜休(祝日の場合は翌平日)。一般1,200円。 TEL 03 5777 8600。
