ART
箱根の〈ポーラ美術館〉が初の現代アート展を開催。
August 6, 2019 | Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto
モネ、セザンヌ、ピカソなど印象派を中心とした近代絵画を蒐集する〈ポーラ美術館〉が初めての現代美術展『シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート』を開催。現代作家たちによる挑戦的な作品が近代の名作と共演を果たす。
タイトルの『シンコペーション』とは、拍子やアクセント、リズムの正常な流れを故意に変えることを指す音楽用語。楽曲に表情や緊張感を与える手法であり、本展では現代作家による大型インスタレーションや音、映像、写真など多様性に満ちた作品が19、20世紀の巨匠たちの名作に呼応するように次々と現れる様子を表している。
フランスの現代美術家、セレスト・ブルシエ=ムジュノの作品は美術館の中の円形プールの水面に大小さまざまな白い陶器のボウルが浮かぶインスタレーション。水の上に漂う陶器は、自然の色彩と光を描いたクロード・モネの《睡蓮》を思わせる。陶器が偶発的にぶつかって澄んだ音を響かせたり、水の流れによって光景が移り変わるなど、瞬間的な楽しみも味わえる。
フランスの現代美術家、セレスト・ブルシエ=ムジュノの作品は美術館の中の円形プールの水面に大小さまざまな白い陶器のボウルが浮かぶインスタレーション。水の上に漂う陶器は、自然の色彩と光を描いたクロード・モネの《睡蓮》を思わせる。陶器が偶発的にぶつかって澄んだ音を響かせたり、水の流れによって光景が移り変わるなど、瞬間的な楽しみも味わえる。
音や聴覚にまつわる作品で知られるイギリス人アーティスト、オリヴァー・ビアは、陶器が音を奏で合うオーケストラのような作品を発表。エトルリアの陶器やコンゴの仮面、砲弾、ティーポットなど時代や国籍もバラバラな16点の器の奥にかすかに存在する「声」をマイクで捉えて音楽を生み出す実験的な作品。ポーラ美術館が収蔵する五彩花鳥文瓶など東洋の陶磁器はどんな音色がするのか想像が膨らむ作品だ。
鏡、ガラス、ランプを組み合わせて神秘的な空間を生み出したアリシア・クワデ。実像と鏡像が交錯し、迷宮の世界へと誘うダリの作品とシンクロするかのよう。また、身体表現をテーマにしたプリンツ・ゴラムの作品は人間の肉体美を表現したロダンやセザンヌの彫刻と共鳴する。
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