ART
この秋、バスキアと日本のつながりを解き明かす展覧会がスタート!
June 6, 2019 | Art | casabrutus.com | text_Keiko Kusano
この秋、日本初となるバスキアの大規模な展覧会が行われる。会期は9月21日〜11月17日。約130点ものバスキアの作品が世界中から集まる貴重な機会だ。
27歳の若さでこの世を去ったアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア。1980年代、ニューヨークのストリートで見出され、若くしてキース・ヘリング、アンディ・ウォーホルら巨匠と渡り合い、瞬く間に人気を得たのち、悲劇的な死を遂げてしまった伝説的なアーティストだ。その短い生涯の中で制作活動をした約10年ほどの間に3000点もの作品を残したと言われている。
今回行われる展覧会では、立体作品を含む約130点ものバスキア作品が一堂に会する。近年、各国ではバスキアの展覧会が行われており、昨年はフランス・パリのブーローニュにある〈フォンダシオン ルイ・ヴィトン〉での展覧会も話題となったが、本展は海外からの巡回展ではなく、日本オリジナルの展覧会となる。キュレーターは、世界中でバスキア展を手がけてきたディーター・ブッフハート。タイトルも『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』と、日本とバスキアのつながりを探る展示となる。
バスキアの初来日は1983年。東京・銀座の〈アキラ・イケダ・ギャラリー〉で個展を行ったバスキアは、日本の文化やテクノロジーに興味を強く持ったという。中でも折り紙に感銘を受けたようで、「おりがみ」といった日本語が垣間見える作品も残している。
展覧会では、日本の公立美術館で所蔵するバスキアの作品も多数登場する。実は、世界の中でもバスキア作品を保有する公立美術館がとりわけ多いのは日本なのだそう。2017年5月に前澤友作がアメリカ人アーティストの作品としては過去最高額の約123億円で落札した《Untitled》(1982年)も展示される。日本とジャン=ミシェル・バスキア、その意外なつながりをさまざまな観点から発見する展覧会となるはずだ。
『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』
〈 森アーツセンターギャラリー〉東京都港区六本木6-10-1 (六本木ヒルズ森タワー52階)。9月21日〜11月17日。10時〜20時(9月25日、26日、10月21日は17時まで)。 9月24日休。TEL 03 5777 8600。一般1,900円(前売り)、2,100円(当日)。