ART
有名アーティストたちの架空インスタにくすり笑い。
『カーサ ブルータス』2019年6月号より
| Art | a wall newspaper | photo_Kohichi Ogasahara text_Sawako Akune editor_Kazumi Yamamoto
イラストレーター、ジャン=フィリップ・デロームさんの新刊『Artists1 Instagrams』は、ウィット満点の仕上がり!
ピカソにモンドリアン、バルテュス、ウォーホルにマティスにマグリット……。美術の教科書のラインナップ? ではなくて、イラストレーター、ジャン=フィリップ・デロームさんの新刊『Artists’ Instagrams』の登場人物だ。タイトル通り、近現代のアートの巨匠たちによる、架空のインスタグラムアカウントの投稿を、モノクロのイラストで表現した作品。原宿〈BOOKMARC〉で刊行を記念してサイン会を開いたデロームさんが話す。
「ふとした思いつきから始めた作品群なんだ。SNSはほかはやらないのだけど、インスタグラムだけは面白くてね。ある人が意図的に切り取ったシーンに、フォロワーたちからさまざまな反応がある。そのコミュニケーションのありようは、アーティストたちが古くからやってきたことと、とても近いと思うんだ」
「ふとした思いつきから始めた作品群なんだ。SNSはほかはやらないのだけど、インスタグラムだけは面白くてね。ある人が意図的に切り取ったシーンに、フォロワーたちからさまざまな反応がある。そのコミュニケーションのありようは、アーティストたちが古くからやってきたことと、とても近いと思うんだ」
作品はどれもウィットたっぷり。たとえばフリーダ・カーロが「おやすみ」とコメントをつけて“自撮り”ならぬ自画像をポストすれば、彼女の元恋人・革命家のトロツキーが「ロシアにおいでよ」とコメントを投稿していたり、ゴーギャンが愛した島へのクルーズへ誘う架空の旅行代理店の“広告”ポストがあったり。それぞれがアーティストたちの人生や人間関係を踏まえているから、それを読み解く面白さもある。
「インスタも世界も色にあふれているから、今回はあえてモノクロの線画にしました。読む方がそれぞれの想像力を発揮して、“ポスト”を彩ってほしい。想像と創造のきっかけにしてほしいですね」
「インスタも世界も色にあふれているから、今回はあえてモノクロの線画にしました。読む方がそれぞれの想像力を発揮して、“ポスト”を彩ってほしい。想像と創造のきっかけにしてほしいですね」

『ARTISTS’ INSTAGRAMS:The Never Seen Instagrams of the Greatest Artists』
もしもあのアーティストがインスタをやっていたら…? 遊び心と深い洞察力に満ちたイラストのシリーズを収録。August Editions/4,000円。

ジャン=フィリップ・デローム
1959年パリ生まれの人気イラストレーター。『ルモンド』『ニューヨーカー』『ヴォーグ』など世界中の雑誌や広告のイラストを手がける。インスタアカウントは@jeanphilippedelhomme
