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ARCHITECTURE

2019年、パリに新しい美術館がオープンします。

『カーサ ブルータス』2017年12月号より

| Architecture, Travel | TADAO ANDO’S ENDEAVORS | text_Mari Matsubara

ANDO建築のプロジェクトは海外でも着々と進行中。かつてスガン島での美術館計画が頓挫し苦汁をなめた「安藤&ピノー」がパリで再びアートの殿堂を建設します。

幻の「水上の宇宙船」構想から18年。安藤忠雄、再びパリへ。

ルーヴル美術館の北東500mほどの場所に位置するかつての穀物取引所〈ブルス・ドゥ・コメルス〉はドーム屋根を持つ円形の建物で、歴史的建造物に指定されている。この建築を保存したまま現代アートの美術館に改修する計画に安藤忠雄が設計者として携わっている。 photo_©Sipa Press/amanaimages
ルーヴル美術館の北東500mほどの場所に位置するかつての穀物取引所〈ブルス・ドゥ・コメルス〉はドーム屋根を持つ円形の建物で、歴史的建造物に指定されている。この建築を保存したまま現代アートの美術館に改修する計画に安藤忠雄が設計者として携わっている。 photo_©Sipa Press/amanaimages
それは突然のプロジェクト中止だった。ピノー財団がパリ西郊セーヌ川に浮かぶスガン島のルノー工場跡地に、財団が所有する現代アートのコレクションを展覧する美術館を計画し、設計に安藤忠雄を抜擢したのは2001年のこと。安藤は「水上に浮かぶ宇宙船」をイメージした構想をもとに着々と設計を進めていた。ところが遅々として進まぬ行政措置に愛想をつかした財団総帥フランソワ・ピノーはついに05年、計画を断念、建設地をヴェネチアにシフトした。設計は変わらず安藤が担い、06年〈パラッツォ・グラッシ〉、09年〈プンタ・デラ・ドガーナ〉、さらに〈テアトリーノ〉が13年に完成した。しかし安藤にとって、敬愛するル・コルビュジエが活躍した国、また20代で初めて海外建築巡礼の旅に出たときの思い出深いフランスで、自身の設計による建造物が実現するという夢が道半ばでついえたことはさぞ無念だっただろう。

2001<br>in Boulogne-Billancourt, France<br>【ピノー現代美術館】〈構想〉

2001in Boulogne-Billancourt, France【ピノー現代美術館】〈構想〉
2001in Boulogne-Billancourt, France【ピノー現代美術館】〈構想〉
2001in Boulogne-Billancourt, France【ピノー現代美術館】〈構想〉
2001in Boulogne-Billancourt, France【ピノー現代美術館】〈構想〉
2001in Boulogne-Billancourt, France【ピノー現代美術館】〈構想〉
2001in Boulogne-Billancourt, France【ピノー現代美術館】〈構想〉

2005-06 / 2011-13<br>in Venezia, Italia<br>【パラッツォ・グラッシ / テアトリーノ】

2005-06 / 2011-13in Venezia, Italia【パラッツォ・グラッシ / テアトリーノ】
©Palazzo Grassi S.p.A, ORCH orsenigo-chemollo
©Palazzo Grassi S.p.A, ORCH orsenigo-chemollo
2005-06 / 2011-13in Venezia, Italia【パラッツォ・グラッシ / テアトリーノ】
2005-06 / 2011-13in Venezia, Italia【パラッツォ・グラッシ / テアトリーノ】
©Palazzo Grassi S.p.A, ORCH orsenigo-chemollo
2005-06 / 2011-13in Venezia, Italia【パラッツォ・グラッシ / テアトリーノ】
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