ARCHITECTURE
ル・コルビュジエが手がけた浮かぶ建築、アジール・フロッタン。
| Architecture | a wall newspaper | text_Jun Kato editor_Tami Okano
1929年に完成したコルビュジエによる難民避難所が90年近い時を経て、再生されようとしています。
繊細なタッチで描き込まれた、1枚のパース。場所はフランス、セーヌ川。川の流れに沿って留められた細長い船に、桟橋を使って人々が乗り降りをしている。
これは、はためく旗や船首に記された〈アジール・フロッタン〉という名の船の完成予定図。近代建築の巨匠、ル・コルビュジエが描いたものだ。どこか祝祭的な雰囲気が漂っているが、名前は「浮かぶ避難所」を意味する。第一次世界大戦後の混乱期に生じた難民を収容するため、石炭を運ぶコンクリート船をリノベーションし、住居とするものであった。1929年に完成、その後、90年代の後半まで使われていたという。
この船は今も、パリのノートルダム大聖堂から上流1kmのセーヌ川左岸に浮かんでいる。現在修復工事が進み、来年には文化施設として再生される予定だ。
これは、はためく旗や船首に記された〈アジール・フロッタン〉という名の船の完成予定図。近代建築の巨匠、ル・コルビュジエが描いたものだ。どこか祝祭的な雰囲気が漂っているが、名前は「浮かぶ避難所」を意味する。第一次世界大戦後の混乱期に生じた難民を収容するため、石炭を運ぶコンクリート船をリノベーションし、住居とするものであった。1929年に完成、その後、90年代の後半まで使われていたという。
この船は今も、パリのノートルダム大聖堂から上流1kmのセーヌ川左岸に浮かんでいる。現在修復工事が進み、来年には文化施設として再生される予定だ。
「実は、ル・コルビュジエは大型客船を設計したいと何度も提案していました。アジール・フロッタンは、彼の願望をかなえた唯一のプロジェクトです」と話すのは、船の再生計画に長年携わる建築家、遠藤秀平。実際にル・コルビュジエの作品の中には集合住宅〈ユニテ・ダビタシオン〉のように客船を思わせるものもあり、ル・コルビュジエの船への思いがうかがえる。「そもそもコルビュジエは、建築は陸に留まった船だと考えていたのではないか」と遠藤は推察する。
Loading...
