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片山正通(Wonderwall®︎)による“現代の数寄者”のための空間〈NOT A HOTEL KITAKARUIZAWA MASU〉。
『カーサ ブルータス』2025年2月号別冊付録より
January 17, 2025 | Architecture, Design, Travel | PR | text_Takahiro Tsuchida illustration_Kenji Oguro
東京を代表する2人のクリエイターがNOT A HOTELを手がけました。インテリアデザイナーの片山正通が、自分の家を建てるとしたら? 建築家・丹下健三が1953年に自ら手がけた自邸からインスパイアされ、そのエッセンスが新しいNOT A HOTEL〈MASU〉として、現代に甦る!
2018年に東京・森美術館で開催された『日本の建築展』で、片山正通は理想の家に出会った。
「建築家の丹下健三が1953年に建てた自邸を、宮大工が3分の1のサイズで作った模型でした。この家を自分なりに解釈してみたいとずっと思っていました」
その家は2階建てで、まるで平屋の住宅をピロティで持ち上げたような独特の構造をしていた。日本の伝統建築と西洋のモダニズムの要素を巧みに組み合わせた様子には、普遍的な魅力があった。
今回、NOT A HOTELから新しいプロジェクトを依頼された片山は、自分が最も住みたい家を作ろうと、このテーマに取り組む。コンセプトは「数寄に住む - As you like it. -」。丹下の作品にも見られる数寄屋造りのイメージも参照し、考察を重ねていった。
「丹下だけでなく吉田五十八や堀口捨己もそれぞれ大胆な解釈で数寄屋を追求していた。“数寄” は “好き” だから最終的にはすべて許容されるんです」
丹下の自邸は木造だが、〈MASU〉は鉄骨造でよりシャープな印象に。主な居住空間がある2階では4×4mのグリッドを「マス」として、各部屋を配置するという考えもユニークだ。家具もあえて和洋の名作を混在させ、多くの文脈を紐づけながら、印象はあくまで潔い。革新する伝統、その本質を感じさせる家だ。
「建築家の丹下健三が1953年に建てた自邸を、宮大工が3分の1のサイズで作った模型でした。この家を自分なりに解釈してみたいとずっと思っていました」
その家は2階建てで、まるで平屋の住宅をピロティで持ち上げたような独特の構造をしていた。日本の伝統建築と西洋のモダニズムの要素を巧みに組み合わせた様子には、普遍的な魅力があった。
今回、NOT A HOTELから新しいプロジェクトを依頼された片山は、自分が最も住みたい家を作ろうと、このテーマに取り組む。コンセプトは「数寄に住む - As you like it. -」。丹下の作品にも見られる数寄屋造りのイメージも参照し、考察を重ねていった。
「丹下だけでなく吉田五十八や堀口捨己もそれぞれ大胆な解釈で数寄屋を追求していた。“数寄” は “好き” だから最終的にはすべて許容されるんです」
丹下の自邸は木造だが、〈MASU〉は鉄骨造でよりシャープな印象に。主な居住空間がある2階では4×4mのグリッドを「マス」として、各部屋を配置するという考えもユニークだ。家具もあえて和洋の名作を混在させ、多くの文脈を紐づけながら、印象はあくまで潔い。革新する伝統、その本質を感じさせる家だ。
【ENTRANCE】オープンな空間を彩る名作たち。
日本的な要素と西洋的な要素の融合を、ひと際シンボリックに見せているのが開放感のあるエントランスホールだ。
「この建物の2層の高さがしっかりと見渡せるようにしました。これは日本の伝統建築にはなかったものです」
と片山。キャンティレバーの階段は軽やかに上下階を繋ぎ、吹き抜けにはイサム・ノグチの大型の照明を設置。フィンランドのアルヴァ・アアルトのフロアライトや、日系アメリカ人のジョージ・ナカシマによるベンチを組み合わせ、違和感なく同居させた。いずれもミッドセンチュリー期のデザインだが、国や地域の多様性が独自のテイストを生んでいる。開放的で快適な住空間へと誘ってくれるイントロダクションのようなスペースだ。
「この建物の2層の高さがしっかりと見渡せるようにしました。これは日本の伝統建築にはなかったものです」
と片山。キャンティレバーの階段は軽やかに上下階を繋ぎ、吹き抜けにはイサム・ノグチの大型の照明を設置。フィンランドのアルヴァ・アアルトのフロアライトや、日系アメリカ人のジョージ・ナカシマによるベンチを組み合わせ、違和感なく同居させた。いずれもミッドセンチュリー期のデザインだが、国や地域の多様性が独自のテイストを生んでいる。開放的で快適な住空間へと誘ってくれるイントロダクションのようなスペースだ。
【DINING】外と繋がるダイニング空間。
ダイニングスペースを1階に設けたのは、〈MASU〉のプランニングの大きなポイントだ。6m以上の長さのあるやや高めのテーブルを造り付け、カウンターチェアを合わせている。自然を間近に感じながらゆっくりと食事できるのはもちろん、大勢で集まって一緒に調理を楽しんだり、屋外のファイヤープレイスと行き来したりと、自由な使い方をイメージした。
「数寄屋造りにインスピレーションを得た建物の中のダイニングとして、ある種の違和感をもたらす場にしたかったんです。エントランスの吹き抜けの空間が、水平方向に伸びていき、長いテーブルへ、さらにアウトドア空間へと繋がるイメージを意図しました」
と片山は話す。
「数寄屋造りにインスピレーションを得た建物の中のダイニングとして、ある種の違和感をもたらす場にしたかったんです。エントランスの吹き抜けの空間が、水平方向に伸びていき、長いテーブルへ、さらにアウトドア空間へと繋がるイメージを意図しました」
と片山は話す。
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