水戸芸術館の展示室が藤森照信のカフェに! 縄文建築でくつろげます。
| Architecture | casabrutus.com | photo_Manami Takahashi text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
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老舗和菓子屋「たねや」のショップや本社がある「ラ コリーナ近江八幡」の応接室を水戸芸術館まで持ってきてしまった。ここでは椅子に座って、展示室内で販売している「たねや」のお菓子が食べられる。

展示室での藤森照信。周りに下がっているすだれのようなものは、彼が設計した〈多治見市モザイクタイルミュージアム〉で展示されているモザイクタイルで作ったもの。

〈多治見市モザイクタイルミュージアム〉多治見市で量産されていたタイルを収集・展示している。 photo_Akihisa Masuda

全国各地のフジモリ建築から持ち込んできた椅子が並ぶ。丸太を組み合わせたような簡素なものからきちんと脚・座・背を作ったものまでバラエティ豊か。

スケッチが貼られた壁の前の模型はチェーンソーで丸太をばりばり削り出したもの。机に向かってうんうん言いながら考えるのとはちょっと違う、身体で直接、素材と対決しながら設計する方法論だ。

「ラ コリーナ近江八幡」の展示室。本物の苔を植えた床に、埴輪のような模型が置かれている。

〈銅屋根〉内観(ラ コリーナ近江八幡・たねや本社屋)。 (C) Nacása & Partners Inc.

新作の茶室〈せん茶〉。大工、鍛冶屋など、水戸の人たちと一緒につくった。「すごい技術を持った人たちがたくさんいるのにびっくりした」(藤森)。車輪でちゃんと動かせる。

〈せん茶〉の中の藤森。後ろ側は水戸芸術館の壁にもともと開けられている窓。この〈せん茶〉では会期中、お茶会も開かれる。参加には当日朝から販売されるチケットが必要。

藤森がこれまで手がけた茶室を集めた展示室。彼は、茶室は住宅の原点だとも言う。「昔の人間は住宅と神殿しかつくらなかった。公共建築がつくられるようになったのはもっと後の時代のこと。室内に火がある茶室は住宅と共通点がある」

〈高過庵〉と〈低過庵〉のスケッチ。〈低過庵〉は〈高過庵〉と同じ敷地内にこの夏、市民とのワークショップで作られる予定。藤森の茶室は高いところにあるものが多いが、〈低過庵〉は珍しく半地下に作られる茶室になる。

〈銅屋根〉(ラ コリーナ近江八幡・たねや本社屋)。庭に巨石文明のような岩が置かれている。 (C) Nacása & Partners Inc.

「ラ コリーナ近江八幡」のモデル。ショップ、本社屋のほか、庭も藤森が手がける。「丘のような、棚田のような建物を」という施主のリクエストに応えて棚田がある庭のまわりに丘のような建物をつくった。

「未来の都市」と題されたエリアの、日本沈没ならぬ“首都水没”のコンセプトモデル。「100年後の東京」をイメージした。

空中に吊された〈空飛ぶ泥舟〉の模型。実際ははしごをかけて上り下りする。この個展に展示されている藤森の卒業制作も細長いUFOのような構造物を谷間に掛け渡すつくりだ。

展示室での藤森照信。周りに下がっているすだれのようなものは、彼が設計した〈多治見市モザイクタイルミュージアム〉で展示されているモザイクタイルで作ったもの。

〈多治見市モザイクタイルミュージアム〉多治見市で量産されていたタイルを収集・展示している。 photo_Akihisa Masuda

〈ねむの木こども美術館 どんぐり〉〈神勝寺寺務所 松堂〉などの写真の前に、全国各地のフジモリ建築から持ち込んできた椅子が並ぶ。丸太を組み合わせたような簡素なものからきちんと脚・座・背を作ったものまでバラエティ豊か。
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