石上純也の最新作は、中国の湖に浮かぶ美術館〈Zaishui Art Museum〉です。
『カーサ ブルータス』2024年2月号より
March 15, 2024 | Architecture, Art | window on the world | photo_©️Arch-Exist text_Ai Sakamoto
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写真ではほとんど見えないが、右手に広がる開発エリアへのエントランスとして機能する。同地域には、石上設計による高さ45m、最小幅1.3mの〈谷の教会〉も建設中。
湖上に立ち現れる有機的な建築。端から端まで歩いて約15分と、優雅な湖上の散策が楽しめる。
湖水が室内に入り込み、内外の概念が揺らぐ不思議な空間。柱間にはめ込まれたガラスの下部に隙間が設けられ、そこから湖の水が引き込まれる。テーブルや什器も石上がデザインした。
〈第11回ヴェネチア建築ビエンナーレ日本館〉(2007年)では、吉阪隆正が手がけた日本館の庭に、細いスチールの柱と薄いガラス板でできた4つの温室を配置した。その内外で、既存樹と新しく植えられた木々が混ざり合う。
〈Zaishui Art Museum〉近くの小さな谷の底に施工中の〈谷の教会〉(2015年〜)。神奈川工科大学〈KAIT工房〉の建設中にプロジェクトがスタートしたことから、「2つの考え方には連続性がある」と石上は語っている。
〈徳島芸術文化ホール(仮称)〉(2021年〜)のスタディ模型。大ホール、小ホール、広場などから成る。花びらをモチーフにしたいくつものテラスが内と外をつなぎ、人々の多様な活動を生み出す。