ARCHITECTURE
建築家が手がけた、空間ごと味わうカフェ。|安田幸一〈パンとエスプレッソと福田美術館〉
『カーサ ブルータス』2022年4月号より
August 4, 2022 | Architecture, Design, Food | text_Mako Yamato illustration_Yoshifumi Takeda
洗練された意匠やくつろぎを生むインテリア、美しい眺望……。コーヒーや食事だけでなく、空間ごと堪能できる建築家が手がけたカフェで、いつもと違う非日常のひとときを。
額縁庭園のごとく切り取った嵐山の眺め。
近世〜近代の京都画壇を中心に日本画をコレクションする〈福田美術館〉では、併設のカフェもまた一幅の絵を眺めるように仕立てられている。天井や床には温もりあるオーク材を使用し、壁一面には大きなガラス窓が。
近世〜近代の京都画壇を中心に日本画をコレクションする〈福田美術館〉では、併設のカフェもまた一幅の絵を眺めるように仕立てられている。天井や床には温もりあるオーク材を使用し、壁一面には大きなガラス窓が。
中庭の水盤越しに流れる大堰川、そして渡月橋を見る絶景ポイントでもある。時にその眺めは柱で切り取られ、額縁庭園を思わせる。渡月橋のたもとという贅沢な立地にありながら、美術館の性質上叶わない開放感をここに集約。その絶景とともに、穏やかな時間を演出してくれる。

安田幸一
1958年神奈川県生まれ。安田アトリエ主宰、東京工業大学教授。代表作に〈東京工業大学附属図書館〉〈東京造形大学 CS PLAZA〉などがある。日建設計時代に〈ポーラ美術館〉を手がけた。〈福田美術館〉に道を挟んで隣接するホテル〈MUNI KYOTO〉も安田アトリエが設計。
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