ARCHITECTURE
安藤忠雄の建築をヴィム・ヴェンダースが撮る。注目のアートプロジェクトが始動。
May 30, 2022 | Architecture, Culture | casabrutus.com | text_Housekeeper
安藤忠雄ら16名の建築家・クリエイターが、渋谷区17箇所の公共トイレの設計を手がけるプロジェクト「THE TOKYO TOILET」。そのトイレを舞台に、『ベルリン・天使の詩』などで知られる映画監督ヴィム・ヴェンダースが最新作を撮影するアートプロジェクトが始動しました。
「THE TOKYO TOILET」は、安藤忠雄や伊東豊雄、隈研吾など日本を代表する建築家・クリエイターが、渋谷区内の17箇所の公共トイレを設計するプロジェクト。これまで12のトイレが完成し、残る5つも2022年内のオープンを予定している。
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アートプロジェクト「THE TOKYO TOILET Art Project with Wim Wenders」は、「THE TOKYO TOILET」のオーナーである柳井康治と、クリエイティブディレクターの高崎卓馬によって動き出した。完成したトイレをどうやって維持、管理していくのか、トイレを綺麗に使う意識を人々に伝えるにはどうしたら良いのかを考える中で、「アートの力」によって発信していく方法を導いた。
そこで、2人が敬愛し、東京への愛情も深いヴェンダースに、この「THE TOKYO TOILET」を舞台にした映画を撮影するというプランをオファー。監督が快諾したことにより、トイレのメンテナンスのために働く清掃員をテーマとした新作映画を製作することが決まったのだ。
先日行われたプロジェクトの発表会見では、ヴェンダース、安藤、柳井、高崎、渋谷区長の長谷部健、そして本作で主演を務める俳優の役所広司が登壇。それぞれのプロジェクトへの想いを語った。
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アートプロジェクト「THE TOKYO TOILET Art Project with Wim Wenders」は、「THE TOKYO TOILET」のオーナーである柳井康治と、クリエイティブディレクターの高崎卓馬によって動き出した。完成したトイレをどうやって維持、管理していくのか、トイレを綺麗に使う意識を人々に伝えるにはどうしたら良いのかを考える中で、「アートの力」によって発信していく方法を導いた。
そこで、2人が敬愛し、東京への愛情も深いヴェンダースに、この「THE TOKYO TOILET」を舞台にした映画を撮影するというプランをオファー。監督が快諾したことにより、トイレのメンテナンスのために働く清掃員をテーマとした新作映画を製作することが決まったのだ。
先日行われたプロジェクトの発表会見では、ヴェンダース、安藤、柳井、高崎、渋谷区長の長谷部健、そして本作で主演を務める俳優の役所広司が登壇。それぞれのプロジェクトへの想いを語った。
ヴェンダース「東京にはしばらく来られていなく、ホームシックの状態でした。これまで話で聞いていただけだった『THE TOKYO TOILET』を実際に目にすることができて、とてもワクワクしています。
このプロジェクトは自分にとって大きなチャンレンジです。安藤忠雄さんをはじめ敬愛する建築家の方々も関わっていて、また社会や都市にとって意義のあることができるなんて、最高の企画だと思っています。トイレは英語で“レストルーム=休む場所”という言い方をしますが、今回この『THE TOKYO TOILET』を拝見した際に、これは真の意味でのレストルーム、休むことのできる空間だと感じました。それについての物語を何章かにわたって作っていく予定です」
安藤「私が手がけたトイレは円形なのですが、この小さいトイレから美しい地球、そして美しい日本ができてくるだろうと思い設計しました。
(設計する上でのポイントとしては)まず通風性と採光性を良くしました。美しい光が差し込み、臭いの無いところなら良いなと。心配したのは、トイレが汚れることです。しかし(しっかりと)メンテナンスをされていますから、完成から2年経った今でもびくともしていないことに感動しています」
このプロジェクトは自分にとって大きなチャンレンジです。安藤忠雄さんをはじめ敬愛する建築家の方々も関わっていて、また社会や都市にとって意義のあることができるなんて、最高の企画だと思っています。トイレは英語で“レストルーム=休む場所”という言い方をしますが、今回この『THE TOKYO TOILET』を拝見した際に、これは真の意味でのレストルーム、休むことのできる空間だと感じました。それについての物語を何章かにわたって作っていく予定です」
安藤「私が手がけたトイレは円形なのですが、この小さいトイレから美しい地球、そして美しい日本ができてくるだろうと思い設計しました。
(設計する上でのポイントとしては)まず通風性と採光性を良くしました。美しい光が差し込み、臭いの無いところなら良いなと。心配したのは、トイレが汚れることです。しかし(しっかりと)メンテナンスをされていますから、完成から2年経った今でもびくともしていないことに感動しています」
安藤とヴェンダースは以前から交流があり、今回が久しぶりの再会となった。
安藤「ヴェンダースさんとは1994年に大阪で初めて会って、『安藤さんの写真を撮りたい』と言われてからの付き合いで。私は世界中でプロジェクトを進めていますが、各地で人との出会いがあります。この人との出会いが大事なんです。メールでは出会いは起こらない。今回のヴェンダースさんとの出会いもそう。こうした楽しい世界にこれからも生きていきたいですね」
ヴェンダース「私は建築が大好きで、もし映画監督の道に進んでいなかったら建築家になりたかった想いもあります。そして、映画監督と建築家の仕事というのは、色々な意味で非常に似ているのではないかとも思っています。
安藤さんの建築作品は以前から敬愛しています。私は世界中を旅しますが、アメリカやヨーロッパなど各地を訪れるたびに、安藤さんの作品を拝見しています。私と安藤さんは真の同世代のクリエイターだと思っています。何度もお会いできているわけではないんですが、安藤さんとは繋がりがあると感じています。
今回『THE TOKYO TOILET』の作品も拝見し、光の使われ方や素材の使われ方、周りの空間とのバランスなど、非常に貴重なものとなっていると思いました」
安藤「ヴェンダースさんとは1994年に大阪で初めて会って、『安藤さんの写真を撮りたい』と言われてからの付き合いで。私は世界中でプロジェクトを進めていますが、各地で人との出会いがあります。この人との出会いが大事なんです。メールでは出会いは起こらない。今回のヴェンダースさんとの出会いもそう。こうした楽しい世界にこれからも生きていきたいですね」
ヴェンダース「私は建築が大好きで、もし映画監督の道に進んでいなかったら建築家になりたかった想いもあります。そして、映画監督と建築家の仕事というのは、色々な意味で非常に似ているのではないかとも思っています。
安藤さんの建築作品は以前から敬愛しています。私は世界中を旅しますが、アメリカやヨーロッパなど各地を訪れるたびに、安藤さんの作品を拝見しています。私と安藤さんは真の同世代のクリエイターだと思っています。何度もお会いできているわけではないんですが、安藤さんとは繋がりがあると感じています。
今回『THE TOKYO TOILET』の作品も拝見し、光の使われ方や素材の使われ方、周りの空間とのバランスなど、非常に貴重なものとなっていると思いました」
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