ARCHITECTURE
建築家・谷尻誠の最新作は、なんとサウナ建築!?
『カーサ ブルータス』2022年1月号より
December 19, 2021 | Architecture, Culture | a wall newspaper | photo_Masanori Kaneshita text_Masae Wako
サウナ好きとしても知られる建築家の谷尻誠が、2つの異なる個性豊かなサウナ建築を提案。
「サウナと茶室って似てますよね?」と、サウナ好きの建築家、谷尻誠は言う。小空間に入り込み、道理にかなった所作を通して精神を統一する。なるほどそう言われれば、似ているかも。
「かつて、武士や将軍は茶室に入る時に刀を置き、身分を忘れて茶を楽しんだ。サウナも全く同じです。年齢も職業も関係なく、みんな真っ裸で汗をかく。空間への向き合い方は一緒だと思います」
かくして谷尻は、茶室のようなサウナ、〈サ室〉を作ろうと思い立つ。場所は神奈川県相模原で自身が営むキャンプ施設〈DAICHI silent river〉。日本画のような山々と穏やかな川に囲まれたその風景は、都心から1時間ということがウソのような秘境である。
「サウナで汗をかいた後はそのまま川にザブン。最高です」
谷尻がサウナに目覚めたのは3年前。“ととのえ親方” の異名を持つプロサウナーの松尾大に楽しさを伝授され、あっという間にのめり込んだ。キャンプへ行く時は常にテントサウナを持参し、今でも週3、4回はサウナに入っているという。そんな経験とサウナ愛を存分に生かしたのが〈サ室〉というわけだ。
「かつて、武士や将軍は茶室に入る時に刀を置き、身分を忘れて茶を楽しんだ。サウナも全く同じです。年齢も職業も関係なく、みんな真っ裸で汗をかく。空間への向き合い方は一緒だと思います」
かくして谷尻は、茶室のようなサウナ、〈サ室〉を作ろうと思い立つ。場所は神奈川県相模原で自身が営むキャンプ施設〈DAICHI silent river〉。日本画のような山々と穏やかな川に囲まれたその風景は、都心から1時間ということがウソのような秘境である。
「サウナで汗をかいた後はそのまま川にザブン。最高です」
谷尻がサウナに目覚めたのは3年前。“ととのえ親方” の異名を持つプロサウナーの松尾大に楽しさを伝授され、あっという間にのめり込んだ。キャンプへ行く時は常にテントサウナを持参し、今でも週3、4回はサウナに入っているという。そんな経験とサウナ愛を存分に生かしたのが〈サ室〉というわけだ。
■神奈川|相模原〈サ室〉<br>桃源郷を眺めつつ汗をかく。茶室のようなサウナ。
室内の広さは2畳。千利休が作ったと言われる国宝の茶室「待庵」と同様だ。壁は杉皮張りで、屋根は銅板葺き。伝統的な茶室への敬意でもあるし、サウナの新しい形の提案でもある。
「従来のログハウス的なものではなく、もっと自由なサウナ建築を考えなくちゃと思ったんです」
景色を楽しめるように壁の2面をガラス張りとし、炎が見えるオリジナルのサウナストーブもデザイン。いったん室内に入れば、めらめら揺れる炎、懐かしい煙の香り、薪がパチパチ爆ぜる音……と五感で豊かな時間を味わえる。
「サウナや水風呂後の外気浴もたまらないんですよ。夜なら満天の星の下でゴロンと寝転んで過ごすこともできる。大自然と一体化するような感覚に包まれます」
ところで、〈サ室〉の原点となった茶室は元来、移築も可能な建築である。「待庵」しかり、豊臣秀吉が利休に作らせた「黄金の茶室」しかり。解体して建て直しできるよう設計されていたものも多いのだ──そんな歴史をひもときながら、次は谷尻が作った移設可能なサウナ建築を訪ねてみた。
「従来のログハウス的なものではなく、もっと自由なサウナ建築を考えなくちゃと思ったんです」
景色を楽しめるように壁の2面をガラス張りとし、炎が見えるオリジナルのサウナストーブもデザイン。いったん室内に入れば、めらめら揺れる炎、懐かしい煙の香り、薪がパチパチ爆ぜる音……と五感で豊かな時間を味わえる。
「サウナや水風呂後の外気浴もたまらないんですよ。夜なら満天の星の下でゴロンと寝転んで過ごすこともできる。大自然と一体化するような感覚に包まれます」
ところで、〈サ室〉の原点となった茶室は元来、移築も可能な建築である。「待庵」しかり、豊臣秀吉が利休に作らせた「黄金の茶室」しかり。解体して建て直しできるよう設計されていたものも多いのだ──そんな歴史をひもときながら、次は谷尻が作った移設可能なサウナ建築を訪ねてみた。
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