【東京・御茶ノ水】創業当時のアール・デコの意匠が蘇った〈山の上ホテル〉|甲斐みのりの建築半日散歩
March 6, 2021 | Architecture, Culture, Design, Food, Travel | casabrutus.com | photo_Ryumon Kagioka text_Minori Kai
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左右対称でジグザグの階段状に立体的にせり上がる塔が特徴的な〈山の上ホテル〉の外観。35の客室はすべて異なるレイアウト。こぢんまりとしたホテルながら7つのレストラン&バーを備える。
ライティングデスクもあり、静かに時を過ごせる〈山の上ホテル〉1階のロビー。
かつて本館と向かい合わせであった別館のロビーに飾られていた、スウェーデンの陶芸家、リサ・ラーソンのライオンのオブジェ。現在は本館のロビーの窓際に。
〈コーヒーパーラーヒルトップ〉や客室で使用されているオリジナルのランチョンマットは、横浜元町の老舗〈近沢レース〉製。レース部分に「HILLTOP HOTEL」の文字があしらわれている。
佐藤オオキ氏率いるデザインオフィス〈nendo〉がデザインしたギフトパッケージ。インク瓶をイメージした容器にはパールチョコ、本型の箱には焼き菓子など「書斎」をイメージ。オンラインショップでも購入可能。
カウンター9席のみの英国風バー〈ノンノン〉。馬毛のスタンド椅子が心地いい。設計者・ヴォーリズにちなんで名付けられた「ドクター・ヴォーリズ・リバイバル」や「ザ・ヒルトップ」など、オリジナルのカクテルを味わえる。
〈ホテルショップ ヒルトップ〉では、ホテルのシェフパティシエが作る生洋菓子とペストリーを扱う。
山の上ホテルが創業する前、〈佐藤振興生活館〉時代の写真。2019年12月のリニューアルにより、床・天井・階段などにアールデコの特徴が色濃く残るこの当時の姿が蘇った。
窓の外に坪庭が広がる、庭付きスイートルーム403号室。山口瞳、田辺聖子、池波正太郎などがよく利用していた。1室55,000円〜。
庭付きスイートルーム403号室の寝室。“簡素な平塗りのシックイ壁、飾り気のないジュウタンとカーテン、ベッドの白いシーツ、桜の木肌を生かしたテーブルと椅子。情報と色彩過多の街並に、一服の清涼剤のような安息地”であることが約40年前からの客室のコンセプト。
ライティングデスクに一輪挿しのバラを飾るのが山の上ホテル流のおもてなし。池波正太郎は執筆時や趣味の絵を描くときは和室、息抜きするときにはこの庭付きスイートルームと使い分けていた。
ホテルの創業時から、備品の文字や絵など数々のデザインを手がけた遠峰健によるドアノブプレート。ドアノブの位置が高いのは、戦後、米軍に接収され陸軍夫人部隊の宿舎として使われていた名残り。
和室にベッドを配した和洋折衷のデラックスシングル・ダブルルーム。池波正太郎がそうしていたように、座卓と座椅子を貸し出ししてもらえる。1名21,000円〜。
総支配人の記憶を頼りに復刻した気品に溢れる伝統のデザート「山の上ホテルのプリンアラモード」1,430円。プリン、アイスクリーム、白鳥のシュークリーム、全て手作り。〈コーヒーパーラーヒルトップ〉で提供。〈コーヒーパーラーヒルトップ〉11時〜21時(当面は11時30分〜19時LO)。
細やかな意匠が愛らしい〈コーヒーパーラーヒルトップ〉。
〈コーヒーパーラーヒルトップ〉やロビーなど、館内の各所には、山の上ホテルを定宿にしていた作家・池波正太郎の絵画が飾られている。
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