【和歌山・白浜町】南紀白浜に現れる、お城のような美術館。|甲斐みのりの建築半日散歩
September 4, 2020 | Architecture, Culture, Design, Food, Travel | casabrutus.com | photo_Ryumon Kagioka text_Minori Kai cooperation_和歌山県観光連盟
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白浜の海辺に建つ〈ホテル川久〉。1993年に「村野藤吾賞」を受賞している。
ホテルを象徴する瓦は、中国の紫禁城と同じ瑠璃瓦を47万枚使用している。蒼い海と空に映える独特な色は、皇帝だけが使うことのできた「老中黄」。
ホテルの正面に立つと目に飛び込むのが、空に浮かぶように客人を出迎える、うさぎのブロンズ像。イギリス人彫刻家、バリー・フラナガンの作品。
ホテルの顔となるロビー。ローマンモザイクタイルが敷き詰められた床から、22.5金の金箔天井までの高さは10メートル。左官職人・久住章が率いる職人集団「花咲か団」が手がけた1本1億円する擬似大理石の蒼い柱が24本並ぶ。金箔天井はフランスの人間国宝に認定された金箔職人、ロベール・ゴアールが手がけた。太陽の光を受けて輝くように計算されている。
イタリアのモザイク職人集団が、1枚ずつ手作業で約1センチ角のローマンモザイクタイルを埋め込んだロビーの床。モノトーンの色合いは、客人の洋服の色を際立たせるため。
ドイツ人の照明デザイナー、インゴ・マウラーが手がけた部屋「ドロミティ」。ヘンリー・ムーアの「母と子」が展示されている。これまではミーティングや会食で使用する人のみが見られる空間で、〈川久ミュージアム〉のオープンに合わせて一般公開が始まった。
日本画家・中尾淳が描く舞妓画が飾られた広い和室「斗酒千吟」には、〈ホテル川久〉の前身〈旅館川久〉時代の和風のシャンデリアが天井を飾る。
創業者が世界中から蒐集した絵画が飾られる2階通路の壁を埋め尽くすのは、陶芸家・加藤元男による陶板。
会食や結婚式会場に使われていたホール「サラ・チェリベルティ」。〈川久ミュージアム〉のオープンに合わせて一般公開が始まった見所の一つ。イタリア人画家、ジュオルジオ・チェリベルティによって、ドーム型の天井に「愛と自由と平和」がテーマの天井画が描かれている。床は寄木で、マイクなしでも音が響く設計に。
オープンテラスデッキに、天然温泉露天風呂がついた「プレジデンシャル スパ・スイートルーム」。
〈ホテル川久〉の夕・朝の食事は、和歌山や北海道の旬の贅沢な食材を堪能できる「王様のビュッフェ」が高評価。その場で調理する実演料理に心が踊る。
〈川久ミュージアム〉オープンを記念した、1階カフェ「Musee」のスペシャルメニュー。100年前のブランデーをバニラアイスのにかける「百年の口どけ」。3,800円。
〈川久ミュージアム〉を代表する芸術作品の一つ、金箔ドーム天井がモチーフのカフェメニュー。金箔コーヒー「カフェ・ゴアール」。2,900円。
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