ARCHITECTURE
青野尚子の「今週末見るべきアート」|ブラジルのチャーミングな女性建築家、 リナ・ボ・バルディを知っていますか?
December 18, 2015 | Architecture, Design | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
ブラジルと言えばオスカー・ニーマイヤーだけれど、彼に負けず劣らずチャーミングなモダニズム建築を残した女性建築家がいる。彼女の名はリナ・ボ・バルディ。日本の美術館では初めての大規模な展覧会が行われている、ワタリウム美術館に行ってきました。
リナ・ボ・バルディは1914年、ローマ生まれ。ローマ大学で建築を学び、ジオ・ポンティの事務所でインテリアデザインやイラストレーション、ジオ・ポンティが創刊した『ドムス』の編集などを手がける。1946年に美術評論家のピエトロ・マリア・バルディと結婚、彼がサンパウロ美術館に招かれたのを機にブラジルに移住し、1992年に没するまでブラジルで活動した。
展覧会はオスカー・ニーマイヤーと同様にリナ・ボ・バルディを深く敬愛する建築家、妹島和世が会場構成の監修を担当した。
「リナの建築には合理的で繊細なイタリアの近代建築と、彼女がブラジルで出合った赤土や藁などの要素が溶けあっていて、力強いし、やさしい。いつまで経っても新しいのか古いのかわからない、魅力ある建築です」と妹島は言う。
実際に美術館の2階の床は、リナが愛したブラジルの赤土を思わせる赤茶色で塗られた。ここでは彼女がブラジルに残した建築のエッセンスを展示している。植物が生えた壁はリナの自邸、〈ガラスの家〉。彼女は1951年にこの家を完成させ、亡くなるまで住んでいた。細い柱で持ち上げられたガラスの箱というル・コルビュジェ的な建築内に、リナはブラジルで集めた人形などの雑貨を飾っていたという。
「リナの建築には合理的で繊細なイタリアの近代建築と、彼女がブラジルで出合った赤土や藁などの要素が溶けあっていて、力強いし、やさしい。いつまで経っても新しいのか古いのかわからない、魅力ある建築です」と妹島は言う。
実際に美術館の2階の床は、リナが愛したブラジルの赤土を思わせる赤茶色で塗られた。ここでは彼女がブラジルに残した建築のエッセンスを展示している。植物が生えた壁はリナの自邸、〈ガラスの家〉。彼女は1951年にこの家を完成させ、亡くなるまで住んでいた。細い柱で持ち上げられたガラスの箱というル・コルビュジェ的な建築内に、リナはブラジルで集めた人形などの雑貨を飾っていたという。
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illustration Yoshifumi Takeda
青野尚子
あおのなおこ ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。
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