ARCHITECTURE
森の動物たちが出迎えてくれる団地です。
June 16, 2014 | Architecture | a wall newspaper | photo: Kenta Yoshizawa text: Naoko Aono editor: Akio Mitomi
古くて薄暗い築38年の団地が、明るい日差しが入る森のような空間に変身。いろんな動物が住んでいます。
グラデーションがきれいな団地に入るとあちこちからシカやリスや鳥が顔を出す。風に舞う葉や木の実も。築38年の〈UR都市機構朝霞浜崎団地〉では外壁の塗り替えなど大規模補修の時期を迎えていた。せっかくならもっと心地いい空間にしたい。そう考えた〈ステュディオ ハン デザイン〉の韓亜由美はイラストレーターの黒田潔に依頼、動物が遊ぶ森に抱かれて住んでいるような団地ができた。
「ここにあった“ハケの山”と呼ばれる森の記憶を残したいと思いました。また吹き抜けになった中庭など光が入りにくい場所があったので、少しでも明るくしたいと思ったんです」と、韓は説明する。
そこで中庭を縦に貫くシャフト壁に大樹を描き、その樹を取り巻くように動物たちを描いた。各階のエレベーターホールや共用廊下の壁にも動植物が描かれている。
「地面に近い低層階にはウサギや蝶、樹の上になる高層階には鳥というように、それぞれ生息している高さによって描く場所を変えています。〝ここにキノコがある〟などと、森の中の宝探しみたいに回りたくなるような絵にしました」とイラストを担当した黒田は言う。
甘くなりすぎないテイストがここの特徴だ。動物も植物も簡略化されているけれど、けっこうリアル。化石やカブトムシの幼虫など、人によってはかわいくないと思えるものも混ざっている。でもフロアごとに違う絵が描いてあるから、住んでいる人は愛着の湧くものになったはず。「帰ってきたな」という気持ちになれる団地になった。
「ここにあった“ハケの山”と呼ばれる森の記憶を残したいと思いました。また吹き抜けになった中庭など光が入りにくい場所があったので、少しでも明るくしたいと思ったんです」と、韓は説明する。
そこで中庭を縦に貫くシャフト壁に大樹を描き、その樹を取り巻くように動物たちを描いた。各階のエレベーターホールや共用廊下の壁にも動植物が描かれている。
「地面に近い低層階にはウサギや蝶、樹の上になる高層階には鳥というように、それぞれ生息している高さによって描く場所を変えています。〝ここにキノコがある〟などと、森の中の宝探しみたいに回りたくなるような絵にしました」とイラストを担当した黒田は言う。
甘くなりすぎないテイストがここの特徴だ。動物も植物も簡略化されているけれど、けっこうリアル。化石やカブトムシの幼虫など、人によってはかわいくないと思えるものも混ざっている。でもフロアごとに違う絵が描いてあるから、住んでいる人は愛着の湧くものになったはず。「帰ってきたな」という気持ちになれる団地になった。
FOR RENT
あさかはまざきだんち UR都市機構がデザイナーと協業、住戸内も含めて改修した「バリューアップ団地」の一つ。外壁もグラデーションにして威圧感のないデザインに。●埼玉県朝霞市朝志ヶ丘1-2。1976年築。総戸数975戸。賃貸の問合せ TEL 0120 411 363。http://www.ur-net.go.jp/akiya/saitama/value_up/asakahamasaki/