ARCHITECTURE
石上純也〈アート・ビオトープ那須 水庭〉が建築賞〈オベル・アワード〉を受賞!
November 19, 2019 | Architecture | casabrutus.com | photo & text_Megumi Yamashita
デンマーク人のヘンリック・フロード・オベルが遺した資産を元に創設された新しい建築賞〈オベル・アワード〉。アメリカのプリツカー賞より高額の100,000ユーロという賞金額が示すように、ヨーロッパでの権威ある建築賞を目指している。
受賞対象は過去5年以内のもので、建築作品に限らず、ランドスケープ、マスタープラン、展覧会など「人類の進化に貢献する傑出したプロジェクト」。毎年、テーマが設定されることが特徴で、初年度のテーマは「建築を通したウェルフェア」。数ある候補作品の中から名誉ある初代の賞に選ばれたのが、石上純也による〈アート・ビオトープ那須 水庭〉だった。
授賞式が行われたのは、オベル氏の生まれ故郷で、〈シドニー・オペラハウス〉の設計で知られるヨーン・ウツソンが育った地でもあるデンマークのオールボー。フィヨルドに面して建てられたウツソンの最後の作品〈ウツソン・センター〉が授賞式会場だ。
受賞式では、今回の授賞理由が審査員長のルイーズ・シュウォルツより説明された。
「〈アート・ビオトープ那須 水庭〉は、隣接する森から移植された300本以上の木からなる人工的なランドスケープながら、綿密な設計により新たな生態系に再構築されていている。心を揺さぶる詩情豊かな佇まいに、人は改めて自然の美しさに気付き、想像の翼を広げる。自然への大胆な介入ながら、それを破壊することなく、より美しいものを構築するという建築力が示された」
トロフィーの授与に続き、石上も熱いスピーチを行った。
「現代の建築家の役割とは、多様化する価値観に見合うものを提案すること、そして建築を地球あるいは自然のスケールでとらえ、そのスケールで新しい環境を作っておくことだと考えています。〈アート・ビオトープ那須 水庭〉はランドスケープでありながら、建築の思考で創ったものです。今回の受賞は、この作品が新しい建築のあり方を示すものとして評価されたと理解し、うれしく励みに感じています」
「〈アート・ビオトープ那須 水庭〉は、隣接する森から移植された300本以上の木からなる人工的なランドスケープながら、綿密な設計により新たな生態系に再構築されていている。心を揺さぶる詩情豊かな佇まいに、人は改めて自然の美しさに気付き、想像の翼を広げる。自然への大胆な介入ながら、それを破壊することなく、より美しいものを構築するという建築力が示された」
トロフィーの授与に続き、石上も熱いスピーチを行った。
「現代の建築家の役割とは、多様化する価値観に見合うものを提案すること、そして建築を地球あるいは自然のスケールでとらえ、そのスケールで新しい環境を作っておくことだと考えています。〈アート・ビオトープ那須 水庭〉はランドスケープでありながら、建築の思考で創ったものです。今回の受賞は、この作品が新しい建築のあり方を示すものとして評価されたと理解し、うれしく励みに感じています」
