ARCHITECTURE
隈研吾設計の最新ミュージアムがオープン!
November 2, 2019 | Architecture, Design | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Ai Sakamoto editor_Keiko Kusano
10月26日、東京・原宿駅にほど近い明治神宮内苑に〈明治神宮ミュージアム〉が開館。100年の杜に溶け込むような建築が誕生しました。
明治神宮の南参道に位置する神橋。10月26日、そのたもとに同宮のご祭神である明治天皇と昭憲皇太后にゆかりの品々を展示する〈明治神宮ミュージアム〉が開館した。設計を手がけたのは、隈研吾。コンテンポラリーでありながらも和の意匠を呈する鉄筋コンクリート造・鉄骨造の2階建てで、3つの展示室と伸びやかなロビーを内包する。
設計にあたり、隈が重視したのは杜との関係性。100年以上の歳月をかけ整備してきた緑の景観を損ねることなく、そこに溶け込むような建築を模索したという。結果、導き出されたのが日本伝統の入母屋造。建物全体の高さを抑えるのはもちろん、杜に向かって伸びる四方の軒を低く収められ、同時に内部空間を大きくとれることが決め手となった。
設計にあたり、隈が重視したのは杜との関係性。100年以上の歳月をかけ整備してきた緑の景観を損ねることなく、そこに溶け込むような建築を模索したという。結果、導き出されたのが日本伝統の入母屋造。建物全体の高さを抑えるのはもちろん、杜に向かって伸びる四方の軒を低く収められ、同時に内部空間を大きくとれることが決め手となった。
薄く軽やかな軒をくぐり、館内に一歩足を踏み入れると、まず驚くのはその開放感。最高高さ約7mのメインロビーでは、大きくとられた開口が杜の緑を大胆に切り取り、現しの梁を支える柱がリズミカルに並ぶ。その連なりは、外壁を構成するルーバー、さらには周囲の木立と呼応し、内と外がゆるやかにつながっていく。
一方、展示の中心は、2階に設けられた常設の宝物展示室だ。東日本大震災で被害を受けた屋根の修復と耐震工事のため、現在閉館中の〈宝物殿〉から移してきた宝物類の中でも、必見は大日本帝国憲法が発布された日に明治天皇が乗ったとされる六頭曳儀装車(ろくとうびきぎそうしゃ)。隈は、かつてこの馬車が置かれていた展示室を模して、ヴォールトの格天井を新たな解釈の下、再現している。
一方、展示の中心は、2階に設けられた常設の宝物展示室だ。東日本大震災で被害を受けた屋根の修復と耐震工事のため、現在閉館中の〈宝物殿〉から移してきた宝物類の中でも、必見は大日本帝国憲法が発布された日に明治天皇が乗ったとされる六頭曳儀装車(ろくとうびきぎそうしゃ)。隈は、かつてこの馬車が置かれていた展示室を模して、ヴォールトの格天井を新たな解釈の下、再現している。
100年以上前、明治神宮の創建に際して人の手で作り出され、今では自然林と見紛う豊かな杜。その懐に抱かれるようにして佇む建築も、また長い歳月をかけてこの地に根付いていくに違いない。
〈明治神宮ミュージアム〉
東京都渋谷区代々木神園町1-1。10時〜16時30分(最終入館16時)。木曜休・展示替期間休。入館料1,000円。TEL 03 3379 5875。