エルメスで音楽を聴く特別な体験へ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

エルメスで音楽を聴く特別な体験へ。

2019年2月5日から〈銀座メゾンエルメス フォーラム〉でオランダ・アムステルダム在住のアーティスト向井山朋子の展覧会が開催される。

Installation wasted, The Echigo-Tsumari Art Triennial 2009, Tokamachi, Niigata, Japan|2009|©Kazue Kawase
Installation performance La Mode, National Taichung Theater, Taiwan|2016| ©National Taichung Theater
Portrait|©Shinji Otani
Installation wasted, The Echigo-Tsumari Art Triennial 2009, Tokamachi, Niigata, Japan|2009|©Kazue Kawase
Installation performance La Mode, National Taichung Theater, Taiwan|2016| ©National Taichung Theater
Portrait|©Shinji Otani
ピアニストとして世界的に活動する向井山。しかし、その作品形態は一風変わっている。たとえば月経をテーマに世界中の女性たちとのインタラクティブなインスタレーションを、コンサートと絡めたり(Wasted、2009年、越後妻有アートトリエンナーレ)、演奏とモデルのキャットウォークを通してファッションという装うことへの人の執着心を問いかけてきた(La Mode、2016年、台中国立歌劇院)。こうした活動を通して作り手側、観る側の関係を問いかけてきた。

本展『ピアニスト』は演奏会形式の展覧会だ。向井山は毎日、ピアノを演奏し、その前後の1時間を含めた4時間のみ会場はオープンする。しかし、演奏が始まる時間は毎日定時ではなく、初日の正午から、毎日1時間ずつずれていく。翌日は午後1時開始、その翌日は午後2時…。つまり、日を追うごとに演奏のスタートは深夜0時、深夜1時、2時、3時へとスライドしていくことになる。

初日の正午開始からぐるっと回って午前11時の開始まで、毎日異なる時間帯に演奏をし、鑑賞をすることになるのだが、一日が24時間だから展覧会の会期は24日間のみ。毎日演奏の時間帯が一時間ずつずれ、しかも朝の3時、4時に演奏することはアーティストにとっても初めての挑戦であり、精神的にも身体的にも修行に近いはず。観客にとってもクラブ通いの人間でないかぎり平常な時間ではない。連日足を運んで体内時計のリズムが少しずつずれていくのに身をゆだねて音楽を受け入れるのもいい。そして何よりも、ガラスブロックのエルメスの空間を曙から暁まで体感できる前例のないこの機会。2月の開催が待ち遠しい。

〈銀座メゾンエルメス フォーラム〉

東京都中央区銀座5-4-1 8F TEL 03 3569 3300。2019年2月5日(火)~2月28日(木)。無休・開館時間は日程により異なる。入場無料。