ART
没後30年。イサム・ノグチの活動の全容が明らかに!?
June 17, 2018 | Art, Design | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa
世界市民として生きたノグチの活動のなかでも彼の庭園への情熱に焦点を当てた展覧会が、〈東京オペラシティ アートギャラリー〉にて開催となる。
20世紀を代表する芸術家、イサム・ノグチ(1904〜1988)。日本人の父親とアメリカ人の母親を持つ彼は世界文化を横断しながら生き、彫刻をはじめ、舞台や家具、照明器具《あかり》のデザイン、陶芸、庭、ランドスケープ・デザインまでさまざまな作品を手がけた。
没後30年に合わせて開催される「イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─」では、彼の幅広い活動を多方面から紹介。なかでもノグチが抽象彫刻の分野にあっても常に“身体”を意識し続けたことや、そうした意識が子どものための遊具デザインやランドスケープといった人間をとりまく環境へ向かい、ノグチ自身が言うところの、“空間の彫刻”=庭園への情熱へと拡大していったことに焦点を当てる。
また、若きノグチが北京で描いた毛筆による身体ドローイングをはじめ、モダンダンスの開拓者マーサ・グラハムとのコラボレーションによる舞台関連作品、日本で制作された陶作品や光の彫刻「あかり」のデザイン、さらには《イェール大学バイニキ稀覯書・写本図書館のための沈床園》(1960〜1964)や《チェイス・マンハッタン銀行プラザのための沈床園》(1961〜1964)などの庭園やランドスケープに関わる模型・資料・動画を展示。さらに、晩年の峻厳な石の彫刻まで、「異文化の融合」や「生活と環境の一体化」をめざしたノグチの活動の全容を、ノグチが世界各地で手掛けた作品を通して紹介する。
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『イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─』
〈東京オペラシティ アートギャラリー〉