ART
トーマス・ヘザウィックが穀物庫を美術館に改築。
『カーサ ブルータス』2017年12月号より
November 24, 2017 | Art, Architecture, Travel | Window On The World | photo_Iwan Baan text_Megumi Yamashita
南アフリカ、ケープタウンのウォーターフロント。1924年に建てられた穀物貯蔵庫がトーマス・ヘザウィックの改築で〈ツァイツ・アフリカ現代美術館〉に生まれ変わった。
アイコン建築での町おこしより、アートになじみが薄い地元の人たちを館内に誘い込むことを課題に、外観より内観を重視。林立する42本の貯蔵用チューブの一部を、下からトウモロコシの粒を拡大したフォルムにくりぬく、という大胆なデザインを採用した。奇妙な形の断面に囲まれたアトリウムは圧巻だ。螺旋階段や筒状エレベーターが設置されたチューブもあり、5フロアあるギャラリーをつなぐ。チューブ上部のレストラン階とホテルになっている隣接ビル上階にはダイヤカット状の立体的な窓。コンクリートの外観に花を添えている。