いつもの風景が変わって見える!? 鈴木康広の個展が開催中です。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

いつもの風景が変わって見える!? 鈴木康広の個展が開催中です。

日常の何気ない風景を、自らの視点で捉えて表現するアーティストの鈴木康広。新作10点を含む75点による個展が、箱根の〈彫刻の森美術館〉で開催中だ。

中二階には「りんごが鏡の中に落ちない理由」(2003)や新作「自然を測るメトロノーム」(2017)が展示されている。
新作の「自然を測るメトロノーム」(2017)。往復する周期を1秒から1万年まで設定することができる。時間のスケールを可視化すことで、時間との向き合い方を考えさせられる。
何気ない日常の気付きを、驚きや笑いを誘う作品に落とし込む鈴木康広。2016年にロンドン・デザインビエンナーレ2016の日本代表に選出されるなど、ますます脚光を浴びるアーティストの個展が〈彫刻の森美術館〉で開催中だ。

今回の個展では代表作、新作など合わせ、62点の作品が勢ぞろい。中でも注目は、「まばたき」をテーマにした作品群。「まばたき」は鈴木が作品制作を開始する上で、複眼的に世界を見るヒントとなった基本のモチーフだ。葉の形にカットされた紙が宙からひらひらと舞い降りる際にまばたきをしているように見える代表作「まばたきの葉」(2003)をはじめ、証明写真機の中に入り、眼を閉じた瞬間を撮影する「まばたき証明写真」(2011)、一分間に1回まばたきをする「まばたきの時計」(2003)など、「まばたき」をテーマにした作品を4つ展示している。
代表作の「まばたきの葉」(2003)。葉の形にカットされた紙の表面には「開いた眼」が、裏面には「閉じた眼」が描かれており、煙突から吹き出た紙が舞い降りる際にくるくると回転することで、まばたきをしているように見える。
方位磁石の針を富士山を中心とした日本列島の形にすることで、自分が立っている方角を直感的に理解することができる。「日本列島の方位磁石」(2011年)。
「りんごが鏡の中に落ちない理由」(2003)。鏡の上にりんごを落とすと、鏡に映ったりんごが反対側からも着地し、二つのりんごが互いに落ちてしまわないように支えあっているように見える。
「空気の人」(2007)「空気に溶けるような繊維」と形容される極薄のプラスチックフィルムの魅力を引き出すため、空気中に浮く人体を制作。中に入れたヘリウムガスの浮力と素材の重さとのバランスを考え、空中で絶妙に釣り合う体勢を探った。
また、会場を活かしたユニークな展示方法も今回の見どころだ。会場となる〈彫刻の森美術館〉のギャラリーを「庭」に見立て、「空気と水」「重力」「反転」「瞬間」などのテーマごとに作品を展示。鈴木の目を通した作品世界に触れた後に会場を散策すれば、会場を一歩出たところに広がる美術館の屋外彫刻の見方も変わってくるかもしれない。

〈鈴木康広 始まりの庭〉

神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
TEL 0460 82 1161。〜2018年2月25日。9時~17時(入館は16時半まで)。無休。入館1,600円

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