ART
クリスト&ジャンヌ=クロードのパリ凱旋門ラッピングがついに実現!
September 19, 2021 | Art, Travel | casabrutus.com | photo_Yuji Ono text_Izumi Fily-Oshima editor_Mari Matsubara
モニュメントや自然を「梱包」する作品で知られたアーティストの遺志を継ぎ、構想から60年を経てパリの名所が包まれた。16日間だけの貴重なプロジェクトが始まっている。
爽やかな秋の空のもと、小高いエトワール広場の中心に堂々とそびえる凱旋門。広場から放射状に伸びる、シャンゼリゼ大通りなど12本の通りどこからも望める、絵葉書のようなパリのランドマークだ。その凱旋門が、形こそ保ちながら、全くの別物に忽然と変身した。2021年9月18日から10月3日までの16日間、クリスト&ジャンヌ=クロードの作品として、シルバーブルーの布で「梱包」されているのだ。
昨年実施される予定がパンデミックにより延期となり、さらに2020年5月にはクリスト自身が亡くなるという不幸に見舞われたが、それでも計画は消えなかった。1年遅れて今年7月から、石の彫刻をメタル製の枠組みでカバーするなどの作業が始まった。
本格的にラッピングがスタートしたのは、9月12日のこと。凱旋門の上から1日がかりで、ロールに巻かれた布が解かれて垂らされていった。
昨年実施される予定がパンデミックにより延期となり、さらに2020年5月にはクリスト自身が亡くなるという不幸に見舞われたが、それでも計画は消えなかった。1年遅れて今年7月から、石の彫刻をメタル製の枠組みでカバーするなどの作業が始まった。
本格的にラッピングがスタートしたのは、9月12日のこと。凱旋門の上から1日がかりで、ロールに巻かれた布が解かれて垂らされていった。
梱包に使われたのは合計25,000㎡の布と3,000mの赤いロープ。布はポリプロピレン製で100%リサイクル可能なブルーの織地の片面にアルミが吹き付けられている。
シャンゼリゼ側とその真後ろの、広い側面には6本のロールが、左右の側面には3本のロールが、高所作業員によって、少しずつほどかれ降ろされていくさまはアクロバットのようなスペクタクル感にあふれており、設営作業自体がこのインスタレーションの大事な見どころだということを痛感させられた。
地上からは小さな兵隊の人形のように見える作業員たちは、クライマーとしての訓練を積み、普段は高層ビルや風力発電所など高所で作業する専門家ばかり、95人のチームだったという。
シャンゼリゼ側とその真後ろの、広い側面には6本のロールが、左右の側面には3本のロールが、高所作業員によって、少しずつほどかれ降ろされていくさまはアクロバットのようなスペクタクル感にあふれており、設営作業自体がこのインスタレーションの大事な見どころだということを痛感させられた。
地上からは小さな兵隊の人形のように見える作業員たちは、クライマーとしての訓練を積み、普段は高層ビルや風力発電所など高所で作業する専門家ばかり、95人のチームだったという。
数日間かかって隙間なくドレープが整えられ、赤いロープが交差するように巻かれて、予定通り9月18日朝オープニングを迎えた。
クリスト&ジャンヌ=クロードの作品がこれまでもそうであったように、誰もが無料で、自由に凱旋門の足元まで歩いて行って作品に触れることができる。
メタル感のあるファブリックは、1日の時間帯によって、日光や夜間照明を受けて刻々と色合いを変えながら、ドレープの陰影が立体的に輝く。すべてが、その瞬間にしかない刹那の美だ。
クリスト&ジャンヌ=クロードの作品がこれまでもそうであったように、誰もが無料で、自由に凱旋門の足元まで歩いて行って作品に触れることができる。
メタル感のあるファブリックは、1日の時間帯によって、日光や夜間照明を受けて刻々と色合いを変えながら、ドレープの陰影が立体的に輝く。すべてが、その瞬間にしかない刹那の美だ。
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