河鍋暁斎、その卓越した筆力は下絵にこそあり! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

河鍋暁斎、その卓越した筆力は下絵にこそあり!

河鍋暁斎の筆遣いが感じられる下絵や画稿を展示する『河鍋暁斎の底力』展が、〈東京ステーションギャラリー〉にて11月28日〜2021年2月7日まで開催されます。

《日本武尊の熊襲退治 下絵》1879年〈河鍋暁斎記念美術館〉
毎年のように展覧会が開かれる人気の絵師、河鍋暁斎(かわなべきょうさい、1831年~1889年)。彼の本画は完成度が高い一方、彩色などの過程で弟子の手が入ることも多かった。また暁斎は多くの版画作品を残したが、これらは暁斎の原画を、彫師と摺師、すなわち他人の協力を得て完成させたもの。一方、素描、下絵、画稿や、宴席などにおいて即興で描かれた席画、絵手本などは“100%暁斎”の作品と言えるだろう。11月28日から始まる『河鍋暁斎の底力』展では、その下絵や画稿類のみを集めて展示。暁斎の描写と表現の力量のみを味わうべく、あえて本画を一切展示しないチャレンジングな展覧会だ。
筆の勢い、対象の把握、執拗な描き込み! どれをとっても破格の下絵類。暁斎は一度その対象を把握してしまえば、実物を前にしなくともどんなポーズの姿でも描くことができたという。下絵類にはこの能力がいかんなく発揮され、数々の驚くべき群像表現を見ることができる。《河竹黙阿弥作『漂流奇譚西洋劇』米国砂漠原野の場 下絵》1879年〈河鍋暁斎記念美術館〉
衣服の襞や髪の毛、顔や身体の皺――本画では整理されてしまう細部が画稿では執拗に描かれる。それがむしろ本画では薄められてしまった迫力とダイナミックな動きを表現している。《女人群像 下絵》制作年不詳〈河鍋暁斎記念美術館〉
暁斎は動物画を特に好んだ。写生を重視しつつ、動きや姿かたちを脳に焼きつけて画面に落とし込んだ。《象 写生》1863年〈河鍋暁斎記念美術館〉
あらゆるジャンルを描きつくしたと言われるほどモチーフは多岐にわたる。骸骨の絵も多く残したが、骨格は非常に正確に描かれているところに暁斎の描写力がうかがえる。《骸骨の茶の湯 画稿》制作年不詳〈河鍋暁斎記念美術館〉
特に注目すべき作品は、《鳥獣戯画 猫又と狸》の新発見されたピースだ。暁斎の作品の中でもよく知られる本作だが、その失われた部分が本展で初公開されることが決定した。

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