ART
「画家の中の画家」ピーター・ドイグ日本初の個展開催!
| Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
新しい具象画の旗手として世界中から注目を集めるピーター・ドイグ。日本初の個展には大型作品が並びます。大画面に囲まれる、迫力たっぷりの展覧会です。
人や建物、動物などが描かれた具象絵画であるはずなのに、抽象画のようにも見える不思議な絵画。ピーター・ドイグの絵を見ているとそんな奇妙な感覚におちいる。彼は1959年、スコットランドの出身。「画家の中の画家」とも称される彼の、日本では初めての個展が東京で開かれる。
ドイグの絵には森や海が描かれていることがあるけれど、方向や奥行きは判然としない。氷の上に立つ人の影が氷に映っている絵では、その人が浮いているようにも見える。映画のワンシーンのようにも見えるけれど、前後の文脈から切り離されて登場人物の思いも物語も宙ぶらりんになったままだ。
ドイグは父の仕事の関係で、カナダとトリニダード・トバゴで育った。彼の絵には冷涼なカナダと熱帯のトリニダード・トバゴの記憶が反映されている。もちろんストレートな描写ではなくて幾重にも加工され、さまざまな要素を抜き出してシャッフルしたような光景だ。いつの時代かもわからない。
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