浮世絵界のスターが再結集した「大浮世絵展」開催中。
喜多川歌麿、東州斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳。人気浮世絵師5人の傑作を集めた『大浮世絵展』が11月19日から〈東京都江戸東京博物館〉ではじまった。
展覧会のスタートを飾るのは、美人画で一世を風靡した喜多川歌麿だ。従来の美人画=全身画という常識を打ち破り、上半身をクローズアップした構図を確立。髪の毛を一本ずつ繊細に描いた毛割や、地色の背景に雲母摺や空摺、無地の時潰しなどの技法を駆使して、独自の美しさを追求し、トップ絵師として活躍した。歌麿の美人画が高い評価を得ているのは単に美しい女性を描いたことだけではなく、一瞬の表情を捉えて、そこに気持ちや感情を込める点にあると言われている。また、髪型やきものの柄や合わせなど当時の流行を反映している点にも注目したい。