ART
徒歩で巡る国際現代美術展『岡山芸術交流2019』開催中!
| Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto
2016年に初めて開催され、好評を博した『岡山芸術交流』が帰ってきた。岡山市内中心部に作品が点在し、歩いて周遊できるコンパクトなエリア構成も魅力の国際現代美術展。その見どころを紹介する。
9月27日から11月24日までの約2ヶ月間開催される『岡山芸術交流2019 IF THE SNAKE もし蛇が』は市内中心部に点在する7つの歴史文化施設などに、コンセプチュアルアート作品が集結する国際現代美術展だ。前回はイギリス人アーティスト、リアム・ギリックがアーティスティックディレクターを務めたことでも話題を呼んだが、さらに期待が高まる今回はフランス人アーティストのピエール・ユイグを迎える。ユイグは当イベントに「IF THE SNAKE もし蛇が」とタイトルを付け、芸術祭の方向性を提示。それに合わせて選出したのは、マシュー・バーニーやイアン・チェン、ミカ・タジマなど世界トップクラスのアーティスト17組だ。参加アーティスト数は他の芸術祭に比べてかなり絞っており、一組ずつの作品のスケールの大きさが期待できる。
『岡山芸術交流』は、気鋭のアーティストがアーティスティックディレクターを務めることや、歩いて回れる利便性の良さ、地元の作家にこだわらず世界トップクラスのアーティストを招聘する点において他の芸術祭とは一線を画している。また、作品の舞台となる施設にも注目だ。〈旧内山下小学校〉は1937年に竣工した市内最古の鉄筋コンクリート造建築の校舎で、校庭には重要文化財の西手櫓が残る文化的価値の高い場所として知られている。〈岡山県天神山文化プラザ〉や〈林原美術館〉はモダニズム建築の巨匠として知られる前川國男が設計。〈岡山市立オリエント美術館〉は岡田新一の設計によるもので、これらの建築を探訪するだけでも十分に見応えがある。また、岡山県犬島と宇野港を含む瀬戸内エリアでは、同時期に『瀬戸内国際芸術祭2019』秋会期が開催中。町の歴史や島の自然を堪能しながら芸術鑑賞ができる、3年に一度だけの特別な時期にぜひ岡山を訪れたい。
『岡山芸術交流2019 IF THE SNAKE もし蛇』
〜11月24日。9時〜17時(最終入館16時30分まで)。〈旧内山下小学校〉、〈岡山県天神山文化プラザ〉ほか。月曜休み(ただし、10月14日、11月4日は翌日の火曜休館)
