吉岡徳仁のガラスの茶室が、国立新美術館に出現。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

吉岡徳仁のガラスの茶室が、国立新美術館に出現。

京都・将軍塚青龍殿の大舞台に設置され、大きな話題を呼んだ吉岡徳仁の「ガラスの茶室―光庵」が、ついに東京へ。〈国立新美術館〉に登場したガラスの茶室が、東京の新たなアートスポットとして世界の人々をお迎えします。

吉岡徳仁によるガラスの茶室「光庵」が、〈国立新美術館〉に出現した。「光庵」が最初に発表されたのは、2011年のヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に遡る。その後、京都・将軍塚青龍殿の大舞台、〈佐賀県立美術館〉と巡回し、今回初めての東京での展示となった。

「ガラスで茶室を作ろうというアイデア自体はもっと以前に遡ります」と吉岡は振り返る。

「2002年にガラスで日本民家を作るプロジェクトを構想していました。海外で仕事をしていく中で、建築として日本文化を映し出すようなものを作り出したかったのです。形ではなく、光など感覚的なものこそが日本的な美しさを表すことができるのではと考え、光を素材に建築を作りたいと思いました」
「光庵」の構造体は鏡面仕上げのステンレス。環境を映し出すことで存在を消す。また屋根のビームは上に向かうにつれ細くなるという仕掛けも。
光を表現するのに適した素材として吉岡はガラスを選んだ。そして茶室という形態を選んだのは、それが日本民家の本質を表す空間だからという。

「日本民家とは、自然を感じることから生み出される空間だと僕は思います。茶室はそれが最もピュアに現れるものなのではないでしょうか」
一文字葺き屋根のラインが、黒川紀章による〈国立新美術館〉のガラスのルーバーと呼応する。
「光庵」には、従来の茶室にあるような床や炉はない。ガラスの正方形の空間の中には、二つのガラスの立体が置かれているだけだ。

「三角のオブジェは結界を意味し、亭主がお点前をする位置を示します。もう一つの長方形のオブジェは床の間の役割を持つ、光の彫刻をイメージしています」