井上雄彦×鳥居徳敏「ガウディを語る」 | 後編 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ガウディと井上雄彦

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「ガウディを語る」前編 中編 はこちら。
井上 ガウディに触れることで僕に何か変化があったかというと、そういうのはやっている最中にはわかるものではないというか、今ここで「こう変わりました」と言ったら、それはたぶんウソだと思うんですよ (笑) 。ただ、前から自分が思っていたことをガウディの影響で後押しされた、ということはあると思いますね。それはやっぱり物事の普遍性というか。僕はどの時代のどの世界でも一定の人に通じるようなものをつくりたいと、僭越ながらそういう気持ちを持って描いてきたと思っているんですよね。
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〈カサ・ミラ〉にアトリエを構えた井上雄彦。Casa BRUTUS特別編集『ガウディと井上雄彦』より。photo_Tetsuya Ito
井上 外側の部分っていろいろあると思うんですけども、それより内側のちょっと時間がたってから気がつくような価値みたいなのがいいなって。そういうところが描けたらいいなと思ってやってきていたところがあるんですね。ガウディも装飾を細かく施したりとか、外側はいろんなことをやっているんですけど、同時にすごく大きなものを見ていて、やっぱり普遍的なものをつくろうとしていたと思うんですね。〈サグラダ・ファミリア〉に集中するようになると、自分自身の生活を質素にして、例えば断食をしたり、余分なものをどんどん削ぎ落としていく。その姿勢というのは、普遍の真理は自分にいろんなものがくっついているとつくれない、ってガウディは思っていたんじゃないかなと。
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サグラダ・ファミリアを案内するガウディ(1915年)。Casa BRUTUS特別編集『ガウディと井上雄彦』より。 ©Càtedra Gaudi
井上 建築の考え方においても、どう見えるかよりも、どういう仕組みで存在しているのかを感じようとしてつくっていたんじゃないかという気がしています。僕もその何十分の一でも何百分の一でも重なる姿勢を持てればいいなと。後で振り返ったときにそう思えればいいなと思っているんですけど、なかなか連載は進まず……。まぁ、神は完成をお急ぎではないので…… (笑) 。

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