石田潤の In the mode|まもなく開館! 田根剛に聞く〈エストニア・ナショナル・ミュージアム〉の見どころ | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

石田潤の In the mode|まもなく開館! 田根剛に聞く〈エストニア・ナショナル・ミュージアム〉の見どころ

建築界はもちろん、ファッション、アート界も含め、現在最も注目される若手建築家といえば、パリを拠点とする建築事務所DGT.を率いる田根剛だろう。それまでは無名の存在だった田根が注目を集め、そしてDGT.結成に至るきっかけを作ったのが〈エストニア・ナショナル・ミュージアム〉のコンペティションだ。

ミュージアムの西側。全長335mという巨大な建物だ。 photo_Takuji Shimmura
2005年、エストニアの国、民族の歴史や文化を集約する博物館を作るべく、国際コンペティションが開催された。田根は、他の建築事務所で働いていた友人のダン・ドレル、リナ・ゴットメとともに、コンペに参加した。そして2006年、26歳の若さで見事最優秀賞を勝ち取り、DGT.を設立。それから10年、〈エストニア・ナショナル・ミュージアム〉がこの秋ついにオープンする。建物の竣工を終え、開館を目前に控えた田根に現在の心境を聞いた。
敷地の航空写真。第二次大戦後、旧ソ連の軍用地内滑走路として使用されていた敷地の記憶を思い起こさせる。 (c)DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS
Q いよいよ10月1日にオープンが迫りました。現在の心境は?

A 言葉がみつかりません。20代後半からの10年間、自分の人生を注いだ仕事がいよいよ出来上がる。それがまだ実感として掴めていないのです。ここに辿り着くまでの間、あまりにもたくさんの事がありました。完成する喜び、そして恐怖、不安と緊張、期待、感謝、それから別れと始まり……。オープンを考えると、いろいろな思いが交錯し、それらが感情を掻き立てます。それでも、ミュージアムがオープンすることで何かが変わる、それは確かだと思っています。