隈研吾展に見る:クマがネコとつくる建築と都市|青野尚子の今週末見るべきアート | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

隈研吾展に見る:クマがネコとつくる建築と都市|青野尚子の今週末見るべきアート

国内外で八面六臂の活躍を続ける隈研吾。〈高知県立美術館〉、〈長崎県美術館〉で好評だった個展『隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則』が東京に巡回してきました。ネコの手を借りた(!?)展示をご紹介します!

〈東京国立近代美術館〉の前庭に置かれた木のトレーラーハウス〈住箱〉(2006年)。ノマド型ライフスタイルを可能にする軽い木の箱。背後に見えるのはときどき色が塗り替えられるイサム・ノグチの彫刻《門》。
〈国立競技場〉(設計参画)や〈高輪ゲートウェイ駅〉、〈角川武蔵野ミュージアム〉など、日本中の街の景色をひとりで塗り替える勢いの隈研吾。東京だけでなく日本全国、中国やヨーロッパなど海外でも膨大な数のプロジェクトを手がけている。近年の彼の建築は比較的小さな木を組み合わせた、独特の表情が特徴的だ。
隈が設計を手がけた〈高輪ゲートウェイ駅〉。膜でできた屋根が特徴だ。
〈住箱〉の前の隈研吾(右)。左はキュレーションを担当した保坂健二朗。 ©Kioku Keizo
その彼の個展「隈研吾展」は東京国立近代美術館の1階の展示スペースすべてを使った大規模なもの。キュレーションは同館主任研究員だった保坂健二朗(今年4月から滋賀県立美術館ディレクター)が担当した。
第1会場の入口には浮かぶほど軽い茶室〈浮庵〉(2007年)が出迎える。世界最軽量と言われる布生地「スーパーオーガンザ」をバルーンが支える。
隈が設計に参画した〈国立競技場〉の資料展示。大きく張りだした屋根の構造などがわかる。
「これまでの僕の個展ではコンクリートや鉄などの工業化されたものや、人間的な木などの素材を切り口にしていました。今回はキュレーターの保坂さんから『公共性』というキーワードを提案されて、人がどう建築に集まるか、人間を軸に整理してみようと思った」(隈研吾)
組んだ木の模型(〈スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道展〉2011年)。隈建築では木がさまざまな表情を生み出す。
〈国立競技場〉のためのランプシェード(2019年)。一般の観客は入ることができない、競技後にインタビューが行われるエリアに設置される。
〈Breath/ng〉(2018年)は大気汚染物質を吸着する布によるインスタレーション。プリーツ加工で面積を増やし、より多くの汚染物質を吸着する。
2つに分かれた会場のうち第1会場では世界各地に点在する隈建築から68件がセレクトされ、模型や写真が展示されている。それらは「孔」「粒子」「やわらかい」「斜め」「時間」という5つのキーワードで分類されている。この5つのキーワードは人を誘い、心地よく過ごせる建築のさまざまな仕掛けだ。「孔」は中庭やアトリウム、2つの棟の間にできる道などをさす。それは2つのものをつなぐと同時に、孔に隠れる動物のようにさまざまなものを守り、隠してくれる。

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