甲斐みのりが案内する横浜の建築とおいしいもの。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

甲斐みのりが案内する横浜の建築とおいしいもの。

Yokohama Short Trip

20世紀初頭に誕生した近代建築と最新のビルが並ぶ横浜。名建築やクラシックホテルの紹介でも知られる文筆家の甲斐みのりさんと、1泊2日の建築とおいしいもの巡りへ。

甲斐みのりと物語の舞台のような名建築へ。

〈ホテルニューグランド〉本館2階、山下公園越しに海を望む「ザ・ロビー」。ニューグランドブルーと呼ばれる青が配された空間に和の要素も取り入れた調度品が映える。
サンドイッチ専門店〈バイミースタンド元町 with 405ファクトリー〉は、元町の新しい名所。築80年を超える建物を大胆にリノベーション。カフェやバー使いもできる。
歩いて、食べて、泊まって、物語の舞台のような名建築へ。
文・甲斐みのり
江戸末期の開港以来、海外の文化をいち早く取り入れてきたモダン都市・横浜は、歩いてめぐって、食べて、泊まる、都市型の観光を楽しみながら、数々の名建築まで味わえる特別なまち。東京からなら日帰りでも十分、外国人居留地としての歴史をたどる港町ならではの異国情緒に触れることができるけれど、建築・文化・歴史好きならば一度は宿泊してみたいと憧れるクラシックホテル〈ホテルニューグランド〉を起点に、1泊2日ゆっくりじっくり、さまざまな建築を訪ね歩いた。

横浜には現代的なビルと調和しながら、いくつもの歴史的な建物が残されているが、そのほとんどが大正末期から昭和初期に建てられているのは、関東大震災で市街地の中心部が壊滅的な被害を受けたからだ。多くの人や建物が失われた不幸を乗り越え、古きよき文化を守りながら震災復興都市計画がおこなわれ、今も歴史的・文化的価値のある建物の保存や活用が積極的におこなわれている。

山下町、中華街、元町、山手と、海辺の一帯から坂道をのぼり、西洋館が点在する高台を散策していると、いつのまにか映画の世界にもぐりこんだような気がしてくる。加賀まりこ主演の『月曜日のユカ』には、東京オリンピックが開催された1964年当時の、山手の洋風住宅や、元町のショッピングストリート、ホテルニューグランドが舞台として登場するが、50年以上経った今もまちなみがそう変わりないのに驚かされる。美しくときを重ねてきた横浜には、誰しもが物語の主人公になり得る余情が、そこかしこに漂っているようだ。

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