ARCHITECTURE
新橋駅前の知られざる、パラダイスな建築とは?
『カーサ ブルータス』2020年11月号より
October 21, 2020 | Architecture, Culture, Design, Food | a wall newspaper | photo_Kenya Abe text_Housekeeper
新橋駅前ビルとニュー新橋ビルに迫る新刊『新橋パラダイス』。著者の村岡俊也に、オススメの名店と共にその魅力を聞きました。
新橋駅前ビルとニュー新橋ビル。この街を訪れる誰もが目にする建物だが、その中に広がる世界はあまり知られていない。
「建築も漂う雰囲気も、自由で大らかなんです。何に使うか分からないデッドスペースがあったり、迷路のような構造だったり、効率を求める現代にはない余裕がある。そこには様々な業種の店が、一見、無秩序に軒を連ねています」
『新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録』の著者、村岡俊也はそう語る。その自由な雰囲気は、ビルの成り立ちに由来しているという。
「建築も漂う雰囲気も、自由で大らかなんです。何に使うか分からないデッドスペースがあったり、迷路のような構造だったり、効率を求める現代にはない余裕がある。そこには様々な業種の店が、一見、無秩序に軒を連ねています」
『新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録』の著者、村岡俊也はそう語る。その自由な雰囲気は、ビルの成り立ちに由来しているという。
「新橋駅前には戦後すぐに闇市ができ、それを取り込む形でマーケットが作られたんです。再開発でビルを建設する際、マーケットにあった各店舗などに区画を分譲して移ってもらった。地権者が店単位だから自主性があり、多様性が担保されているんです」
村岡が愛する名店たちも、そうした雰囲気の中で歴史を刻む。
村岡が愛する名店たちも、そうした雰囲気の中で歴史を刻む。
「〈ベジタリアン〉はチェーン展開せずに、あの場所でずっと営業している。〈ビーフン東〉では政治家だって、平等に並んでもらう。その真っ当な判断も、各自がオーナーだからできるのかもしれない。」
「〈喫茶フジ〉では夏になると客がみんなで高校野球を観ていたり。その緩やかな一体感もこのビルを象徴しているよう。
役割が規定された現代の再開発とは違い、2つのビルは戦後から地続きの、多様な要素が絡み合って形作られている。でも本来、街ってそうあるべきだと思うんです」
役割が規定された現代の再開発とは違い、2つのビルは戦後から地続きの、多様な要素が絡み合って形作られている。でも本来、街ってそうあるべきだと思うんです」
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