前川國男設計〈福岡市美術館〉がリニューアルオープン! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

前川國男設計〈福岡市美術館〉がリニューアルオープン!

2016年より休館していた〈福岡市美術館〉が、改装を経てついにリニューアルオープン。ニッポンのモダニズム建築の父とも言うべき前川國男の意匠を引き継ぎながら、新たな入り口を増設するといった大胆な変貌を遂げています。

大濠公園の池に面する、美術館の西側にエントランスを新設。入り口近くのカフェからは、大濠公園の池を一望できる。〈東京都美術館〉でも用いられている「打ち込みタイル」工法による外壁が目を引く。photo_Shintaro Yamanaka(Qsyum!)
広いエスプラナード。写真奥側からゆるい階段を登り、このエスプラナードを抜けて、館内2階へと入るアプローチも。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda

上空から写した施設外観。手前が大濠公園の池。photo_Shintaro Yamanaka(Qsyum!)
大濠公園の池に面する、美術館の西側にエントランスを新設。入り口近くのカフェからは、大濠公園の池を一望できる。〈東京都美術館〉でも用いられている「打ち込みタイル」工法による外壁が目を引く。photo_Shintaro Yamanaka(Qsyum!)
広いエスプラナード。写真奥側からゆるい階段を登り、このエスプラナードを抜けて、館内2階へと入るアプローチも。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda
上空から写した施設外観。手前が大濠公園の池。photo_Shintaro Yamanaka(Qsyum!)
東京帝国大学を卒業したその夜に日本を発ち、シベリア鉄道経由で渡仏。近代建築の最前線にいたル・コルビュジエのアトリエで学び、帰国後はフランク・ロイド・ライトの弟子のアントニン・レーモンドの元で働いた、建築家・前川國男。50年に及ぶ建築人生の中で200を超える作品を残し、また丹下健三のデビューを後押しするなど後進も育てながら、戦後の建築界をリードし続けた。

1979年に開館した〈福岡市美術館〉は、氏が多く手掛けた美術館建築の中でも、晩年の作品のひとつだ。2階の天井に設けられたアーチ状の「かまぼこ天井」。「はつり加工」によってザラザラとした凹凸が施された、天井や柱のコンクリート壁。「打ち込み工法」によって覆われた、外観の磁器質タイル。日本の風景に馴染むモダニズム建築を模索する中で、前川が独自に編み出したディティールが、各所に光る設計となっている。

・リニューアル後も残る、前川國男の意匠。

新設された、「前川國男メモリアルスペース」。2階はこのような「かまぼこ天井」と呼ばれるアーチ状の天井に。縦横の直線が基調となる近代建築において、こうした曲線がアクセントになる。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda
1・2階ともに広いロビーが設けられているのは、来訪者が展示室に向かう過程で、日常の時間から離れ、芸術体験へと向かう準備をするため。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda
1階と2階をつなぐ階段部分。照明器具は今回のリニューアルで、デザインはそのままに、LED仕様になった。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda
新設された、「前川國男メモリアルスペース」。2階はこのような「かまぼこ天井」と呼ばれるアーチ状の天井に。縦横の直線が基調となる近代建築において、こうした曲線がアクセントになる。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda
1・2階ともに広いロビーが設けられているのは、来訪者が展示室に向かう過程で、日常の時間から離れ、芸術体験へと向かう準備をするため。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda
1階と2階をつなぐ階段部分。照明器具は今回のリニューアルで、デザインはそのままに、LED仕様になった。photo_SS Co., Ltd. Shinichiro Ueda
2年間の改修による最大の変化は、西側に新たなエントランスを設けたことだ。大濠公園の広い池に面したこの西側を開くことで、公園でくつろぐ人々の足が、気軽に館内へと向かう導線が生まれる。また、入り口のすぐそばにカフェを新設したことで、人々が憩う場としてより広く開かれた施設になった。

もちろん、美術館としての機能を支える各展示室も、大幅に改修・新設。重要文化財の《薬師如来立像》や尾形乾山の《花籠図》といった仏教美術・古美術からダリ、ミロ、ウォーホルなどの近現代美術まで、幅広いコレクション品を展示する、計6部屋からなる「コレクション展示室」。大規模な企画展に対応する「特別展示室」。さらに、上映会、演劇、コンサートなどに利用できる「ミュージアムホール」や、ワークショップなどが行える「アートスタジオ」など、新旧・ジャンルを問わないあらゆるアートが、国内最高水準の設備のもと鑑賞可能になっている。