VEHICLE
Chill CARS|細部と全体に整合性のとれた、エバーグリーンな名車。
『カーサ ブルータス』2018年10月号より
September 21, 2018 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
ちょっとクルマが好きなひとは、フランス車をどう見ているか? キュートとか、洒落ているといった言葉が出てくることもある。そのイメージの源は、1972年に登場したこの《ルノー5》に端を発しているのではないだろうか。
そもそもフランス人にとってクルマは道具だった。60年代までのフランス車は機能主義的なカタチで、住宅を「住むための機械」としたル・コルビュジエのひそみにならえば「移動のための機械」。《ルノー5》の面白さは、中身は駄獣にもたとえられた《ルノー4》(61年発表)と多くの部品を共用していながら、美的なスタイリングをもつところだ。
ボディは、フランスではクーペのものとされていた2ドアをあえて採用(後の79年には4ドアも発売)。ヘッドランプ、バンパー、ドアハンドル、テールランプにいたるまで、細部と全体に整合性がとられ、凝縮感がある。
ミシェル・ブエというデザイナーの作品とされているが、この人は若くして他界してしまった。生きていたら他にどんなクルマをデザインしてくれただろう。
後継車の《シュペール5》は、《ランボルギーニ・カウンタック》や〈シトロエン〉の《BX》で知られる巨匠、マルチェロ・ガンディーニがデザインしたが、さすがのガンディーニもブエのオリジナルから完全に離れられなかった。クルマのデザインに“完成形”があるとしたら《ルノー5》はまさにそれ。永遠のデザインだ。
ボディは、フランスではクーペのものとされていた2ドアをあえて採用(後の79年には4ドアも発売)。ヘッドランプ、バンパー、ドアハンドル、テールランプにいたるまで、細部と全体に整合性がとられ、凝縮感がある。
ミシェル・ブエというデザイナーの作品とされているが、この人は若くして他界してしまった。生きていたら他にどんなクルマをデザインしてくれただろう。
後継車の《シュペール5》は、《ランボルギーニ・カウンタック》や〈シトロエン〉の《BX》で知られる巨匠、マルチェロ・ガンディーニがデザインしたが、さすがのガンディーニもブエのオリジナルから完全に離れられなかった。クルマのデザインに“完成形”があるとしたら《ルノー5》はまさにそれ。永遠のデザインだ。
special thanks to Masanori Nagao, JOHNSON TOWN ( TEL 04 2962 4450) ※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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