Chill CARS|どこにでも乗って行ける、旅行鞄のようなクルマ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Chill CARS|どこにでも乗って行ける、旅行鞄のようなクルマ。

『カーサ ブルータス』2018年2月号より

真横から眺めると、車体の前半分と後ろ半分をそれぞれ別のところから持ってきて、そのまま合体させたように見える。この印象はしかし、事実とそう離れていない。欧州では往々にして、大衆車の前半分に大きな荷室をつける手法で商業用のバンが作られているからだ。

ルノーキャトル(フルゴネット)
ベースになったのは1961年発表の《ルノー4》。真四角なボディにコンパクトな前輪駆動システム、巨大なテールゲートと広い荷室。実用性を追求して作られ、「ブルージーンズのような」と評されたクルマだ。ほぼ同時期に登場したのが仏語でバンを意味するフルゴネットと呼ばれるタイプだ。

このクルマの魅力はまず、そのサイのような堅牢さ。家畜も運べて、キャンプにも仕事にもハネムーンにも行ける。“どこにでも乗っていける旅行鞄”。《ルノー4》の開発にゴーを出した当時の〈ルノー公団〉(政府も出資)の総裁は、魅力をそう語ったとか。

要するに、男の子のような好奇心と行動力を持ったユーザーを惹きつける“働くクルマ”なのだ。感覚として近いのはダンプカーやクレーン車なのかもしれない。

それでいて、乗り味は極上。あくまでフランス車なのがわかる。サスペンションとシートの出来が素晴らしく、“猫足”と表現される独特の走りも楽しめる。

働くクルマでありながら、もてなすクルマでもある。この点でも《ルノー4》はフランスが作った工業製品の最高傑作の一つだ。その魅力を知って損はない。
ステッキ形状のシフトレバーは、慣れると操作も楽。ステアリングは2本スポーク。
全高約1.7Mの荷室を持つこの取材車は、長尺物積載のためにルーフの一部(ジラフォン・ルーフ)が開けられる。
ボンネットはフロントグリルと一体で前方に大きく開くので、エンジンの整備などもしやすい。
後席シートを備えているタイプは汎用性が高く人気だ
ステッキ形状のシフトレバーは、慣れると操作も楽。ステアリングは2本スポーク。
全高約1.7Mの荷室を持つこの取材車は、長尺物積載のためにルーフの一部(ジラフォン・ルーフ)が開けられる。
ボンネットはフロントグリルと一体で前方に大きく開くので、エンジンの整備などもしやすい。
後席シートを備えているタイプは汎用性が高く人気だ
country: France
year: 1961-88
seats : 2 or 4
size : L3,653×W1,500×H1,710mm
price: approx 2,000,000 yen
special thanks to Club RENAULT 4 JAPON (公式サイト), KASAI WINERY, Yoshihito Kasai ※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。