VEHICLE
Chill CARS|良き時代のフランスが生み出した、温かみのあるセダン。
『カーサ ブルータス』2018年1月号より
December 13, 2017 | Vehicle | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
多くの人が最初に描くクルマの形はセダンであることが多い。エンジンルームに人が乗るキャビン、そして荷物を入れるトランク。クルマの基本的な構造だ。
普遍的な形だが、現在のフランス車にはハッチバックとミニバンばかりでセダンがない。90年代までこの国で良いセダンが作られていた事実を考えると意外だ。その“良いセダン”こそ、今回紹介する《プジョー505》である。
このクルマは服飾でたとえるなら、モードではなくトラッドさに通じる魅力を持っている。素材が良く、裁断と縫製がうまく、着心地がいい。そして何より、スタンダードであるからこそ、人を飽きさせず、それでいて常に新しい発見がある。見ても乗っても、そんな表現がしっくりくる。
《505》におけるデザインの特徴はというと、吊り目のヘッドランプが目を引くが、それだけではない。キャビンとボディのバランスや、トランクの長さなどプロポーションに細心の注意が払われている。均整の良さそのものが強い個性となっているのだ。
広い室内と、座り心地のいい大きなレザーシートが備わるのも魅力。走らせると、路面の凹凸をうまく吸収する足回りの設定ゆえ、ふんわりとした動きをする。これも他のクルマにない長所だ。
《505》は典型的なセダンのカタチをしていながら、決して凡庸ではない。乗る人を幸福な気分にしてくれる温かみを持った、唯一無二のクルマなのである。
このクルマは服飾でたとえるなら、モードではなくトラッドさに通じる魅力を持っている。素材が良く、裁断と縫製がうまく、着心地がいい。そして何より、スタンダードであるからこそ、人を飽きさせず、それでいて常に新しい発見がある。見ても乗っても、そんな表現がしっくりくる。
《505》におけるデザインの特徴はというと、吊り目のヘッドランプが目を引くが、それだけではない。キャビンとボディのバランスや、トランクの長さなどプロポーションに細心の注意が払われている。均整の良さそのものが強い個性となっているのだ。
広い室内と、座り心地のいい大きなレザーシートが備わるのも魅力。走らせると、路面の凹凸をうまく吸収する足回りの設定ゆえ、ふんわりとした動きをする。これも他のクルマにない長所だ。
《505》は典型的なセダンのカタチをしていながら、決して凡庸ではない。乗る人を幸福な気分にしてくれる温かみを持った、唯一無二のクルマなのである。