Chill CARS|個性を内に秘めた、イタリアらしい稀有なセダン。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Chill CARS|個性を内に秘めた、イタリアらしい稀有なセダン。

『カーサ ブルータス』2017年11月号より

イタリア人は保守的だとよく言われる。実際、《ランチア テーマ》が発表されたとき、「こういうオーソドックスなセダンがイタリア人は好きなんだ」とデザインを手がけたジョルジェット・ジウジアーロは言葉を残している。

Lancia Thema 8·32
イタリア人は保守的だとよく言われる。実際、《ランチア テーマ》が発表されたとき、「こういうオーソドックスなセダンがイタリア人は好きなんだ」とデザインを手がけたジョルジェット・ジウジアーロは言葉を残している。

ただし、このクルマのスタイリングを見ると“保守的”も悪くないように思える。リアクォーターパネルを後輪のほぼ真上に配したバランスの良いプロポーションを持つからだ。

〈マセラティ〉や〈ロータス〉などのスポーツカーとともに、〈フォルクスワーゲン〉の《ゴルフ》など、実用車のデザインも得意としたジウジアーロ。長いルーフで居住性を高めつつ、短くて厚めのトランクと組み合わせて躍動感を生み出している。

「ネバー・ア・バッド・ランチア(ランチアに悪いモデルなし)」と評されるほど上質なクルマ作りで定評のあった〈ランチア〉だけに〈ポルトローナ・フラウ〉社のレザーを使った内装のテイストも上品。佇まいの良いセダンには昨今お目にかかれなくなっているだけに、今乗ると新鮮だ。

加えて《テーマ》には“8・32”という特別なモデルがある。〈フェラーリ〉のV8エンジン搭載車だ。トランクには電動格納式のリアスポイラーも潜んでいる。一見すると、実直なセダン。それでいて実はスポーツカー。操縦したときの官能性は今も魅力的。個性を静かに内に秘めた、稀有なセダンだ。
フロントの「8・32」は8気筒32バルブエンジン搭載の意。
高級家具メーカー、〈ポルトローナ・フラウ〉の革が張られた専用シート。
トランクに電動スポイラーを装備しているが、格納時はベーシックなセダンに見える品の良さも魅力だ。
スポーツカーのようなメーターに、高級感のあるウッドパネルを組み合わせたインパネ。
フロントの「8・32」は8気筒32バルブエンジン搭載の意。
高級家具メーカー、〈ポルトローナ・フラウ〉の革が張られた専用シート。
トランクに電動スポイラーを装備しているが、格納時はベーシックなセダンに見える品の良さも魅力だ。
スポーツカーのようなメーターに、高級感のあるウッドパネルを組み合わせたインパネ。
country: Italy
year: 1986-92
seats : 5
size : L4,590×W1,758×H1,385mm
price: approx 2,700,000yen
special thanks to COLLEZIONE( TEL 03 5758 7007)
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。