VEHICLE
Chill CARS|日々の「道具」として使いたい、巨匠の作品。
July 21, 2017 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
建築家とクルマにはつながりが多い。有名なのはル・コルビュジエだろう。クルマのスタイリングも試作し、住宅の工業化による安価供給を考え、それを「メゾン・シトロアン」と名づけた。大量生産制を導入していた《シトロエン》をもじったものと言われている。
大量生産品とはいえ、《シトロエン》のクルマは、他にない存在感を放ってきた。1948年の《2CV》しかり、55年の《DS》しかり。ある種の芸術作品のように愛されてきた。その系譜に連なる最後のクルマこそ、82年の《BX》ではないだろうか。
スタイリングは〈カロッツェリア・ベルトーネ〉に在籍していたマルチェロ・ガンディーニ。《ランボルギーニ・クンタッシ》や《ランチア・ストラトス》を手がけた巨匠カーデザイナーの作品として見るべき点は、プロポーションの良さと直線基調ながら艶のあるスタイルだ。非常にソフトな座り心地のシートに、油圧と窒素ガスを用いた独自のサスペンションシステム、レバーを持たない操作系など、このクルマならではの乗り心地にファンは多い。
「クルマは道具以外の何物でもない」というのがフランス人の価値観とはよく言われる。けれども、彼らが自分たちの欲しいものを作ったら、結果的に他の文化圏の人たちにとっても理想的なクルマが出来上がったというのが面白い。発表から時代を経た今こそ、日々の「道具」としてスタイル良く乗りこなしてみたい。
スタイリングは〈カロッツェリア・ベルトーネ〉に在籍していたマルチェロ・ガンディーニ。《ランボルギーニ・クンタッシ》や《ランチア・ストラトス》を手がけた巨匠カーデザイナーの作品として見るべき点は、プロポーションの良さと直線基調ながら艶のあるスタイルだ。非常にソフトな座り心地のシートに、油圧と窒素ガスを用いた独自のサスペンションシステム、レバーを持たない操作系など、このクルマならではの乗り心地にファンは多い。
「クルマは道具以外の何物でもない」というのがフランス人の価値観とはよく言われる。けれども、彼らが自分たちの欲しいものを作ったら、結果的に他の文化圏の人たちにとっても理想的なクルマが出来上がったというのが面白い。発表から時代を経た今こそ、日々の「道具」としてスタイル良く乗りこなしてみたい。