Chill CARS|日々の「道具」として使いたい、巨匠の作品。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Chill CARS|日々の「道具」として使いたい、巨匠の作品。

建築家とクルマにはつながりが多い。有名なのはル・コルビュジエだろう。クルマのスタイリングも試作し、住宅の工業化による安価供給を考え、それを「メゾン・シトロアン」と名づけた。大量生産制を導入していた《シトロエン》をもじったものと言われている。

シトロエン ベイクス
大量生産品とはいえ、《シトロエン》のクルマは、他にない存在感を放ってきた。1948年の《2CV》しかり、55年の《DS》しかり。ある種の芸術作品のように愛されてきた。その系譜に連なる最後のクルマこそ、82年の《BX》ではないだろうか。

スタイリングは〈カロッツェリア・ベルトーネ〉に在籍していたマルチェロ・ガンディーニ。《ランボルギーニ・クンタッシ》や《ランチア・ストラトス》を手がけた巨匠カーデザイナーの作品として見るべき点は、プロポーションの良さと直線基調ながら艶のあるスタイルだ。非常にソフトな座り心地のシートに、油圧と窒素ガスを用いた独自のサスペンションシステム、レバーを持たない操作系など、このクルマならではの乗り心地にファンは多い。

「クルマは道具以外の何物でもない」というのがフランス人の価値観とはよく言われる。けれども、彼らが自分たちの欲しいものを作ったら、結果的に他の文化圏の人たちにとっても理想的なクルマが出来上がったというのが面白い。発表から時代を経た今こそ、日々の「道具」としてスタイル良く乗りこなしてみたい。
各所にFRPを使ってボディを軽量化したのも特徴。直線基調のリアが美しい。
前期型は円筒形の速度計が回転する方式だったが後期型ではベーシックなタイプに。
1本スポークの“伝統”を《BX》はずっと守った。
80年代までのフランス車はまぶしすぎて景観を損ねないよう黄色いヘッドランプバルブを装着していた(取材車は87年の《BX16TRS》)。
各所にFRPを使ってボディを軽量化したのも特徴。直線基調のリアが美しい。
前期型は円筒形の速度計が回転する方式だったが後期型ではベーシックなタイプに。
1本スポークの“伝統”を《BX》はずっと守った。
80年代までのフランス車はまぶしすぎて景観を損ねないよう黄色いヘッドランプバルブを装着していた(取材車は87年の《BX16TRS》)。
country: France
year: 1982-93
seats : 5
size : L4,230×W1,660×H1,360mm
price: approx.700,000 yen
special thanks to Tomomi Kudo, Autoreve( TEL 03 6427 5820)
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。