VEHICLE
Chill CARS|商用車出自がもたらす機能美が魅力の、潔いワンボックスカー。
『カーサ ブルータス』2020年9月号より
August 10, 2020 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
このクルマの車名には、《タイプ2》という名称が入る。少し詳しい人なら、《タイプ2》と聞くと金太郎塗りの2トーンカラーで塗り分けられ、分割式フロントウィンドウを持つ商用車、いわゆる “ワーゲンバス” を思い出すだろう。
潔いほどに機能一徹なこのワンボックスカーも、同じように《タイプ2》の名前を持つ。というのも、このクルマの正しい総称は《トランスポーターT3(イギリスではT25)》であり、《タイプ2》の3代目にあたるためだ。姿形はまるで異なるが、中身の基本構成は初代《タイプ2》= “ワーゲンバス” を引き継いでいる。
《T3》の登場は1979年。《ビートル》のドイツ本国での生産が1975年に終わっていた中、3代目の《T3》は伝統のRR方式とフラット4エンジンを継続採用。元々が商用車ゆえ、四角くて比較的大柄な車体の積載力は高く、北米ではキャンピングカーのベースとしても好まれた。日本では乗用仕様がメインで、2人乗りバンも少数のみ輸入された。
余計な要素と虚飾を排した外装デザインは、デザイン過多の現在ではむしろ魅力的。必要なメーターやスイッチがしかるべきところに並ぶ、実用性が高いダッシュボードには機能美さえ感じさせる。バシャバシャと音を立てる独特のエンジン音も個性的だ。新しいクルマに負けず、今なお日常で使用できるという、ちょうど良いクラシックさも、このクルマの高い人気を支えている。
《T3》の登場は1979年。《ビートル》のドイツ本国での生産が1975年に終わっていた中、3代目の《T3》は伝統のRR方式とフラット4エンジンを継続採用。元々が商用車ゆえ、四角くて比較的大柄な車体の積載力は高く、北米ではキャンピングカーのベースとしても好まれた。日本では乗用仕様がメインで、2人乗りバンも少数のみ輸入された。
余計な要素と虚飾を排した外装デザインは、デザイン過多の現在ではむしろ魅力的。必要なメーターやスイッチがしかるべきところに並ぶ、実用性が高いダッシュボードには機能美さえ感じさせる。バシャバシャと音を立てる独特のエンジン音も個性的だ。新しいクルマに負けず、今なお日常で使用できるという、ちょうど良いクラシックさも、このクルマの高い人気を支えている。
country: Germany
year: 1979-92
seats: 7
size: L4,600×W1,845×H1,950mm
price: approx 3,800,000 yen
special thanks to T-WORKS(TEL 045 831 2310)
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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