Chill CARS|愛らしい、けれど速いホットハッチの嚆矢。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Chill CARS|愛らしい、けれど速いホットハッチの嚆矢。

『カーサ ブルータス』2019年9月号より

1970年代、欧州ではさまざまなハッチバック車が登場した。そのさきがけが、69年にイタリアの〈アウトビアンキ〉が発表した《A1‌12》だ。

アウトビアンキ A112 アバルト
このクルマの魅力の第一点は、キュートなルックスだ。大きく見えるキャビンとボディの均整がとれたプロポーション、丸型ヘッドランプ、峰のあるフェンダーと、細部まで個性的。

デザインを担当したのは《フィアット600》などを手がけたダンテ・ジアコーサだ。天才エンジニアとも言われただけあって、エンジン横置きの前輪駆動という画期的なレイアウトを考えた。

はたして、スタイリングと走りで、欧州ではすぐ人気を呼んだ。自動車界でこのクルマに注目したひとりが、量産車をベースにしたレースカーを手がけていた〈アバルト〉を率いるカルロ・アバルトだ。彼は〈アウトビアンキ〉の親会社〈フィアット〉を口説いて〈アバルト〉仕様の量産化にこぎつけたのだ。

そうして71年に登場した《A1‌12アバルト》は、排気量を上げたエンジンに車体のロールを抑えた足まわりを備えていた。《ゴルフGTI》(75年)や《ルノー5アルピーヌ》(76年)にも先駆けたホットハッチ(高性能ハッチバック車)の嚆矢である。

70年代は、スポーティなクルマを好む若い消費者が増えるという読みが当たったのだ。提供価値が明確なプロダクトゆえ世界的にヒットし、今も熱心なファンがいる。
革巻きのステアリングホイール。スポークを8時20分の角度にして計器の視認性を高め、レバーの操作性も上げている。
77年のマイナーチェンジでフロントマスクが変わり黒色のフェンダーモールを備えた。
突き出したテールを持つリアのスタイルが個性的。
合皮とファブリックによる専用シートにシースルータイプのヘッドレストレイントが備わる。
革巻きのステアリングホイール。スポークを8時20分の角度にして計器の視認性を高め、レバーの操作性も上げている。
77年のマイナーチェンジでフロントマスクが変わり黒色のフェンダーモールを備えた。
突き出したテールを持つリアのスタイルが個性的。
合皮とファブリックによる専用シートにシースルータイプのヘッドレストレイントが備わる。
country: Italy
year: 1971-85
seats: 4
size: L3,268×W1,480×H1,360mm
price: approx 2,000,000 yen
special thanks to Satoshi Akaiwa