FASHION
セリーヌ初のメンズ・ランウェイ、エディが呼び覚ますニューウェイヴ。
February 26, 2019 | Fashion | casabrutus.com | photo_Shoichi Kajino text_Shoichi Kajino editor_Keiko Kusano
2018年9月、ディレクターにエディ・スリマンを迎え、新たなディレクションへと舵を切ったセリーヌ。その大胆なリセットは鮮烈で、全くブレることのないエディ・スリマンの帰還は、賛否両論が入り交じった喝采とともに幕を開けた。
エディの作り出そうとする新しいセリーヌのユニバースで、特筆されるのはメンズ・ラインのスタートだ。ウィメンズ、メンズ合同となったファースト・コレクションでも相変わらず線の細いボー・ギャルソンのパリ・スタイルを提示したエディ。1月にはセリーヌにとって初めてとなるメンズのショーが開催されるというので、居ても立ってもいられず駆けつけた。
コンコルド広場、凱旋門からオベリスクへと一直線に延びるシャンゼリゼの突き当たりに作られた特設会場からは夜のパリが一望できる。エディのショーとしては比較的コンパクトな会場に、ランウェイの片側だけに階段状に席が組まれている。ゲスト全員がガラス張りの向こうのシャンゼリゼに向かって座るという仕掛け。ネオン管で組み上げられた巨大な球体のオブジェが点滅しランウェイを照らしながら平行移動してショーの幕は上がった。
ニューウェイヴ! 前髪を切りそろえられたモデルたち。肩の張ったボリュームのある上半身にストンと落ちたタックパンツ、あるいはスキニー。千鳥格子やタータン、あらゆる種類のチェックやレジメンタルストライプ。レオパード。大きめな水玉。ブラック&ホワイトの大胆なグラフィック。極細ネクタイ。短めのパンツの裾からのぞいた白いソックス、そしてラバーソール。
いかにも英国産のボーイズたちが、一様に両手をポケットに突っ込んだまま足早にポディウムへと向かってくる。ダブルのジャケット、レザーのライダース、ツイードのコート、テディ・ジャケット、あらゆるエディ・スリマンのシグネチャーが、ニューウェイヴ~モッズ期のブリットのムードをまとって再定義されていく。ところどころに差し込まれてくる、ラグジュアリー・ピース。
いかにも英国産のボーイズたちが、一様に両手をポケットに突っ込んだまま足早にポディウムへと向かってくる。ダブルのジャケット、レザーのライダース、ツイードのコート、テディ・ジャケット、あらゆるエディ・スリマンのシグネチャーが、ニューウェイヴ~モッズ期のブリットのムードをまとって再定義されていく。ところどころに差し込まれてくる、ラグジュアリー・ピース。
なんといってもエディのクリエイションの真髄はメンズ・コレクションだと再認識させるテンションで、ルックが重ねられていく。シンプルに熱のこもったショーだった。エンディング、オブジェの前でサックスを響かせたのはジェームス・チャンス。NYノー・ウェイヴの雄の突如の登場はまさにサプライズだった。
Loading...