VEHICLE
Chill CARS|どこにでも乗って行ける、旅行鞄のようなクルマ。
『カーサ ブルータス』2018年2月号より
January 16, 2018 | Vehicle | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
真横から眺めると、車体の前半分と後ろ半分をそれぞれ別のところから持ってきて、そのまま合体させたように見える。この印象はしかし、事実とそう離れていない。欧州では往々にして、大衆車の前半分に大きな荷室をつける手法で商業用のバンが作られているからだ。
ベースになったのは1961年発表の《ルノー4》。真四角なボディにコンパクトな前輪駆動システム、巨大なテールゲートと広い荷室。実用性を追求して作られ、「ブルージーンズのような」と評されたクルマだ。ほぼ同時期に登場したのが仏語でバンを意味するフルゴネットと呼ばれるタイプだ。
このクルマの魅力はまず、そのサイのような堅牢さ。家畜も運べて、キャンプにも仕事にもハネムーンにも行ける。“どこにでも乗っていける旅行鞄”。《ルノー4》の開発にゴーを出した当時の〈ルノー公団〉(政府も出資)の総裁は、魅力をそう語ったとか。
要するに、男の子のような好奇心と行動力を持ったユーザーを惹きつける“働くクルマ”なのだ。感覚として近いのはダンプカーやクレーン車なのかもしれない。
それでいて、乗り味は極上。あくまでフランス車なのがわかる。サスペンションとシートの出来が素晴らしく、“猫足”と表現される独特の走りも楽しめる。
働くクルマでありながら、もてなすクルマでもある。この点でも《ルノー4》はフランスが作った工業製品の最高傑作の一つだ。その魅力を知って損はない。
このクルマの魅力はまず、そのサイのような堅牢さ。家畜も運べて、キャンプにも仕事にもハネムーンにも行ける。“どこにでも乗っていける旅行鞄”。《ルノー4》の開発にゴーを出した当時の〈ルノー公団〉(政府も出資)の総裁は、魅力をそう語ったとか。
要するに、男の子のような好奇心と行動力を持ったユーザーを惹きつける“働くクルマ”なのだ。感覚として近いのはダンプカーやクレーン車なのかもしれない。
それでいて、乗り味は極上。あくまでフランス車なのがわかる。サスペンションとシートの出来が素晴らしく、“猫足”と表現される独特の走りも楽しめる。
働くクルマでありながら、もてなすクルマでもある。この点でも《ルノー4》はフランスが作った工業製品の最高傑作の一つだ。その魅力を知って損はない。