FOOD
奥田政行シェフの著書が世界的アワードを受賞。
July 12, 2017 | Food, Culture | a wall newspaper | photo_Akiko Mizuno (Book), Jun Hasegawa (Chef) text_Riko Saito editor_Ai Sakamoto
料理本に贈られるグルマン世界料理本大賞のヘリテージ部門で見事グランプリを獲得しました。
地産地消の先駆者として、今や世界的にも有名な奥田政行シェフ。彼が2年の歳月をかけて書き上げた『食べもの時鑑』が、料理本のアカデミー賞ともいわれるグルマン世界料理本大賞へリテージ部門で今年のグランプリを受賞。授賞式を終えて帰国直後の奥田シェフに喜びの言葉を聞いた。
Q まずは、この本を作ることになったきっかけを教えてください。
日本各地はもちろん、世界中でその土地の食材を使って料理をしてきましたが、その都度、地元・庄内の食材の凄さを再認識するんです。水や土壌、気候風土に恵まれた庄内が生む、ここにしかない四季折々の食材を、体系的にまとめて残したいという強い思いがこの本になりました。
Q 苦労した点はありますか?
自然界のことを人間界に落とし込むのが大変でした。ひとつの食材を、それこそ中毒を起こすまで食べ続けて、いいところも悪いところも全部ひっくるめて好きになると食材が話し始めるんです。それに耳を傾けながら、庄内食材の何がオンリーワンなのか、味の道筋を科学的に分析していきました。
Q 誰に向けて書いたのですか?
まず、庄内の生産者さん。ここには“地上の星”のような生産者さんがたくさんいます。真摯で研究熱心でポリシーがあってブレない。素晴らしい食材作りに余念がないのに、その価値を知らないから「みなさんが作っているものは世界に誇れるものだ」と伝えたかったんです。そして、世界中の人たちに向けて。庄内は世界で一番四季がはっきりしていること、世界でも有数の在来野菜の品種があること、138種類もの魚介類が取れること、だだちゃ豆で羊を飼育している人がいることなどなど、数え上げたらキリがない。その実力を確実に世界に伝えたくて、この本をエントリーしたんです。
Q グランプリは狙っていた?
もちろん(笑)。でも、授賞式での発表のときに、最初違う名前がスクリーンに出たから、「あーっ、ダメだった」と思ってガックリしたんです。でも次の瞬間、名前を呼ばれて。その落差があったから喜びもひとしおでした。
Q 雑誌『クロワッサン』で2007年から2年間にわたり連載していたとき、基本的な発想や哲学はほぼ確立されていましたよね。
はい。根幹的なものは、すべて当時と変わりません。ただ、感覚でしかわかっていなかったことや、エビデンスがなかったものもあったのですが、それを科学的に分析し、体系づけたのがこの本。集大成だと思っています。
Q まずは、この本を作ることになったきっかけを教えてください。
日本各地はもちろん、世界中でその土地の食材を使って料理をしてきましたが、その都度、地元・庄内の食材の凄さを再認識するんです。水や土壌、気候風土に恵まれた庄内が生む、ここにしかない四季折々の食材を、体系的にまとめて残したいという強い思いがこの本になりました。
Q 苦労した点はありますか?
自然界のことを人間界に落とし込むのが大変でした。ひとつの食材を、それこそ中毒を起こすまで食べ続けて、いいところも悪いところも全部ひっくるめて好きになると食材が話し始めるんです。それに耳を傾けながら、庄内食材の何がオンリーワンなのか、味の道筋を科学的に分析していきました。
Q 誰に向けて書いたのですか?
まず、庄内の生産者さん。ここには“地上の星”のような生産者さんがたくさんいます。真摯で研究熱心でポリシーがあってブレない。素晴らしい食材作りに余念がないのに、その価値を知らないから「みなさんが作っているものは世界に誇れるものだ」と伝えたかったんです。そして、世界中の人たちに向けて。庄内は世界で一番四季がはっきりしていること、世界でも有数の在来野菜の品種があること、138種類もの魚介類が取れること、だだちゃ豆で羊を飼育している人がいることなどなど、数え上げたらキリがない。その実力を確実に世界に伝えたくて、この本をエントリーしたんです。
Q グランプリは狙っていた?
もちろん(笑)。でも、授賞式での発表のときに、最初違う名前がスクリーンに出たから、「あーっ、ダメだった」と思ってガックリしたんです。でも次の瞬間、名前を呼ばれて。その落差があったから喜びもひとしおでした。
Q 雑誌『クロワッサン』で2007年から2年間にわたり連載していたとき、基本的な発想や哲学はほぼ確立されていましたよね。
はい。根幹的なものは、すべて当時と変わりません。ただ、感覚でしかわかっていなかったことや、エビデンスがなかったものもあったのですが、それを科学的に分析し、体系づけたのがこの本。集大成だと思っています。
生産者のみなさんの支えのおかげです!!
奥田政行
おくだまさゆき 山形県鶴岡市にあるイタリアン〈アル・ケッチァーノ〉オーナーシェフ。世界野菜料理コンテスト3位、農林水産省料理マスターズシルバー賞など受賞多数。「食の都庄内」親善大使。著書に『田舎町のリストランテ、頑張る。』(マガジンハウス)など。
おくだまさゆき 山形県鶴岡市にあるイタリアン〈アル・ケッチァーノ〉オーナーシェフ。世界野菜料理コンテスト3位、農林水産省料理マスターズシルバー賞など受賞多数。「食の都庄内」親善大使。著書に『田舎町のリストランテ、頑張る。』(マガジンハウス)など。
『食べもの時鑑』
豊かな庄内の食材を、美しい写真とともに、四季に添って紹介した一冊。味覚の分析はもちろん、気象学、地形学、海洋学などを駆使し、庄内食材の味の構造を解明。それを料理に昇華させるまでを詳細に解説している。写真は長谷川潤。10,000円(フレーベル館)。