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家での時間を豊かにする、若きアイデアに注目です。『サンワカンパニー デザインアワード 2021』
『カーサ ブルータス』2022年4月号より
March 9, 2022 | Design | PR | text_Yoshinao Yamada
「くらしを楽しく、美しく。」を目指すサンワカンパニー。若手デザイナーの登竜門ともなったコンペは、今年で6回目。コロナ禍で注目が高まる「おうち時間」に目を向けました。
キッチンを中心に、住宅設備機器や建築資材の企画開発で知られるリーディングカンパニー〈サンワカンパニー〉。同社が継続するデザインコンペ『サンワカンパニーデザインアワード』は、いまや若手デザイナーの登竜門になったといってもいい。6度目の開催となる今年は、プロダクトデザイン部門の審査委員長に引き続きデザイナーの倉本仁を迎え、「おうち時間をもっと楽しく、もっと美しく」を主題にアイデアを募った。
最優秀作品は、八田興と脇坂政高のデザインユニット〈wah〉が提案した《Gym Bench》だ。長引くコロナ禍で在宅時間が増えるいま、日々の運動量が低下したことに悩む人も多いだろう。ミニマムなデザインのソファベッドを基盤に、アタッチメントの取り付けでベンチプレスや腹筋などを自宅で行える提案だ。トレーニング機器の多くが日常生活に馴染むデザインと言いがたい。住空間に馴染むデザインとしながら、トレーニングで日々にメリハリを与える提案は潜在的なニーズを掘り起こすだろう。八田と脇坂は「サンワカンパニーの世界観に、ミニマルなデザインを見出しました」と語る。
最優秀作品は、八田興と脇坂政高のデザインユニット〈wah〉が提案した《Gym Bench》だ。長引くコロナ禍で在宅時間が増えるいま、日々の運動量が低下したことに悩む人も多いだろう。ミニマムなデザインのソファベッドを基盤に、アタッチメントの取り付けでベンチプレスや腹筋などを自宅で行える提案だ。トレーニング機器の多くが日常生活に馴染むデザインと言いがたい。住空間に馴染むデザインとしながら、トレーニングで日々にメリハリを与える提案は潜在的なニーズを掘り起こすだろう。八田と脇坂は「サンワカンパニーの世界観に、ミニマルなデザインを見出しました」と語る。
Casa BRUTUS賞を受賞したのは東京在住のデザイナー、ルドッツ・アドリアン。彼がデザインした《TRACKS》は、サンワカンパニーの主力製品であるキッチンに目を向け、その時間をさらに楽しいものとする提案だ。在宅時間が長くなったことで、キッチンのあり方そのものも多様になっているのではないかと、アドリアンは言う。彼はキッチンを構成するレールの上にすべてのパーツを設置可能なモジュラーシステムを提案した。キッチンの使用状況に合わせてパーツを組み替え、楽しめる場所となる。キッチンそのものを拡張、縮小することも可能で、住まいにおけるキッチンのあり方にも変化が生まれるだろう。
「モジュール化されたパーツは従来のシステムキッチンにはない提案です。提案を見てまず思い浮かべたのはシステムシェルフの存在です。しかしキッチンには配管の存在という大きな違いがあります。それを意識したうえでの提案だと思いますが、あえて挑む姿勢を評価しました」と小誌編集長の西尾洋一は言う。
「モジュール化されたパーツは従来のシステムキッチンにはない提案です。提案を見てまず思い浮かべたのはシステムシェルフの存在です。しかしキッチンには配管の存在という大きな違いがあります。それを意識したうえでの提案だと思いますが、あえて挑む姿勢を評価しました」と小誌編集長の西尾洋一は言う。
総評で倉本は次のように語る。
「パンデミック以降、私たちは自身の心のあり方を見つめる必要がありました。デザインの役割にはもともと社会課題への取り組みという側面があります。パンデミック自体を一つのきっかけに人々の心にデザインがいかに作用できるかを問うものでした」
心に届くデザイン、それはどの時代にも等しく届く姿でもある。
「パンデミック以降、私たちは自身の心のあり方を見つめる必要がありました。デザインの役割にはもともと社会課題への取り組みという側面があります。パンデミック自体を一つのきっかけに人々の心にデザインがいかに作用できるかを問うものでした」
心に届くデザイン、それはどの時代にも等しく届く姿でもある。
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