ART
ヨコハマトリエンナーレで“毒”と生きる日常へ。
『カーサ ブルータス』2020年9月号より
August 7, 2020 | Art | a wall newspaper | photo_Takuya Neda text_Naoko Aono
独学、発光、友情、ケア、毒。謎めいたキーワードが困難な時代を生きる鍵になる、横浜の芸術祭です。
コロナ禍で、開幕日を遅らせてスタートした『ヨコハマトリエンナーレ2020』。インドのアートユニット、ラクス・メディア・コレクティヴがアーティスティックディレクターを務める。今回のトリエンナーレの象徴ともいえるのがキービジュアルの、見る角度によって色が変わる玉虫色の色面だ。
「ひとつの色をシンボルカラーにすると特定のステイトメント(宣言)になってしまう」と彼らは言う。同じものでも見る人や角度によって違って見える、つまり世界は万人にとって同じとは限らないことを示している。
「ひとつの色をシンボルカラーにすると特定のステイトメント(宣言)になってしまう」と彼らは言う。同じものでも見る人や角度によって違って見える、つまり世界は万人にとって同じとは限らないことを示している。
また彼らがあげた5つのキーワードの一つに「毒」がある。新型コロナウイルスの予言とも思えるが、もとは違う概念を指していた。
「差別など社会から排除されやすい人や動物、廃棄物といったものといかにして共存していくのかということに興味があった」
それらがすべて無益または有害とは限らない。ときに毒となり、薬となるものもある。彼らの言葉通り、「毒」をも含んでさまざまなことを考えさせる芸術祭だ。
「差別など社会から排除されやすい人や動物、廃棄物といったものといかにして共存していくのかということに興味があった」
それらがすべて無益または有害とは限らない。ときに毒となり、薬となるものもある。彼らの言葉通り、「毒」をも含んでさまざまなことを考えさせる芸術祭だ。
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」
〈横浜美術館〉神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1、〈PLOT 48〉神奈川県横浜市西区みなとみらい4-3-1ほか。
〜10月11日。10時〜18時(夜間開場あり)。木曜休(7月23日、8月13日、10月8日を除く)。入場料2,000円。チケットはオンラインでの日時指定・予約制。TEL 050 5541 8600(ハローダイヤル)。